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SDNの世界観は浸透したか? ネットワーク仮想化の取り組み状況すご腕アナリスト市場予測(4/4 ページ)

» 2019年01月30日 08時00分 公開
[草野賢一IDC Japan]
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ネットワーク仮想化に取り組むきっかけとなる「DX」

 今回の調査では、ネットワーク仮想化に取り組んでいる企業が増えていることが明らかになったが、何がきっかけでさらに市場が拡大していくことになるのだろうか。そのきっかけの1つとして考えられるのが、「デジタルトランスフォーメーション(DX)」だ。

いわゆるDXとは、「モバイル」「ビッグデータ」「クラウド」「ソーシャル」といった第3のフラットフォーム技術を活用することで、新しい製品やサービス、ビジネスモデル、そして新しい関係を通じての価値を創出し、競争上の優位性を確保する試み。このDXのメリットを最大限に生かすためには、例えば拠点からクラウドサービス上の価値ある情報へ快適にアクセスし、ビジネスにいち早く活用できる環境づくりが重要だ。DXの価値を最大限発揮するための環境づくりに取り組む過程で、既存のネットワーク環境を見直すことも出てくるはずだ。その選択肢の1つとして、ネットワーク仮想化を含めたSDx技術が検討されていくことだろう。

ネットワーク仮想化のアプローチ

 すでにSDN自体は、周辺技術も含めた大きな意味で捉えられつつある今、SDNというキーワードそのものは、いずれは使われなくなってくる可能性はあるだろう。しかし、SDNが持つ考え方やアプローチ、実装などは今後増えてくるのは間違いない。ソフトウェアでネットワークを制御するSDNそのものが持つ機能は、さまざまな場面で活用できるものであり、そのテクノロジーを自社の課題に応じて使っていくということが重要になる。もちろん、SDN以外のソリューションでも実現できる環境があればぜひトライしてみることが重要で、その目的に合致したものを選択していく必要がある。

 なお、特にデータセンターにおける基盤づくりにおいては、マルチクラウド化への対応も必要になってくるため、ネットワーク仮想化についてもその視点で検討することが大切だ。自分が使っているオンプレミス環境と利用しているパブリッククラウドにおけるネットワークは、同じような設定やポリシーで運用されるケースが少なくないしていくべきであろう。それら両者をうまく管理していくためのプラットフォームの在り方を模索するなかで、ネットワーク領域でもそれに追従できるかどうかをしっかり見ておくべきだ。

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