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Webブラウザ戦争再燃か、“一強”と思われたChromeのシェアがジワジワ減少?:587th Lap

Webブラウザのシェア情勢が徐々に変化しているという。その詳細とは。

» 2020年11月13日 06時00分 公開
[キーマンズネット]

 インターネットが普及してから何度か「Webブラウザ戦争」が繰り返されてきたが、時代の情勢に合わせてシェアは大きく変化してきた。

 変遷の激しいWebブラウザのシェア争いではあるが、2020年も終盤を迎えた現在、またもや大きな動きがある。ここ最近は、一強とされてきた「Google Chrome」に影が差し始めたという。あのブラウザが覇権を握ろうとしているというのだが、シェア争いに何が起こったのか……。

 まず2020年11月に観測された「変化」について解説しよう。Webブラウザのシェア調査結果について、NetMarketShareが2020年10月に発表した調査結果によると、Microsoftが「Windows 10」に搭載して以来“推してきた”Webブラウザ「Edge」のシェアがここに来て伸びているのだ。

 ここしばらく、PCのWebブラウザシェアの覇権を握ってきたのはGoogle Chromeだ。2020年8月のシェアでいえば、70.89%のPCでChromeが使われていた。しかしNetMarketShareの調査結果によると、同年8〜10月では、Chromeのシェアは70.89〜69.25%と、わずかばかりではあるが減少した。

 その減少の理由となったのが、先に触れたEdgeだ。Edgeは全ブラウザの中で2位のシェアを誇っている。とはいえ圧倒的なChromeのシェアに比べれば、2020年8月時点で8.52%。それが9〜10月となるにつれ8.84〜10.22%と上昇してきたのだという。

 Edgeについては、Windows 10に搭載された標準Webブラウザということでそれなりに認知度は高いものの、人気はなかった。Windows 10の普及が急速でなく、また、かつてのMicrosoftの主力Webブラウザ「Internet Explorer」(IE)も存在したままでEdgeの利用をと思い至らないユーザーも多かった。検索エンジンにおいてGoogleが覇権を握っていることも影響は大きいだろう。

 1990年代の第1次ブラウザ戦争では、「Netscape Navigator」とIEとの闘いだった。結局IEが勝利し、PCにおけるWebブラウザといえばIEという時代は長かった。第2次ブラウザ戦争は2000年代に入ってのこと。IE6.0が大きなシェアを占めていたものの、セキュリティの問題が多発して信用を失った。その背後で、タブ機能を備えた「Firefox」「Opera」がシェアを伸ばした。しかしながら、2010年に急速にシェアを伸ばし始めたのがChromeであり、2014年にはFirefoxを抜き去るまでになった。

 そんな「戦争」を経て、しばらくはChromeの独擅場となっていたが、ここにきてEdgeが台頭してきた。その理由には、Chromeが影響している。

 EdgeはそもそもIEの系譜をくんだWebブラウザだ。第2次ブラウザ戦争でIEは破れ、それ故にWindows 10で標準装備されていたのにユーザーを遠ざけていたという側面もある。しかしEdgeは、2020年に入って以降、とある大変革を遂げた。

 それはレンダリングエンジンの変更だ。もともとはMicrosoftによる独自レンダリングエンジンだったEdgeは、そのエンジンをGoogleの「Chromium」に変更した。つまり、EdgeとChromeは根本的なところでほぼ同一の存在となったのだ。Windows 10の標準搭載されているためEdgeを選択する意義もある。

 幾多の戦争を経て一度はWebブラウザにおける立場を失いかけたMicrosoftも、いまやEdgeで再び力を得つつある。新たな戦争の火種となるのだろうか。


上司X

上司X: Webブラウザの王者だったChromeが徐々にそのシェアを失っている、という話だよ。


ブラックピット

ブラックピット: まさかその相手がEdgeとは。


上司X

上司X: そんなに驚くことじゃないな。


ブラックピット

ブラックピット: 知ってましたよ。EdgeはもはやIEの後継じゃないですよね。


上司X

上司X: あれ、なにか残念そうな。


ブラックピット

ブラックピット: 僕はずっとIE信者だったんですよ! Edgeも大好き。少数勢を無視するのは良くない話です。


上司X

上司X: まあそれはそうだな。


ブラックピット

ブラックピット: でしょ? ……僕も、なんかモッサリしてたEdgeがエンジンが変わって、Edge最高! と思っています。


上司X

上司X: Webブラウザに関しては人によって好きなものが異なる、というのは否めないな。シェアがどうこういうより自分の好きなものを使えばいいと俺も思う。Webブラウザなんて、人それぞれでいいんだよ。


川柳

ブラックピット(本名非公開)

ブラックピット

年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)

昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。

上司X(本名なぜか非公開)

上司X

年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)

中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。


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