対面による営業活動が難しくなった今、昔ながらの“足で稼ぐ”営業スタイルからインサイドセールスを中心とした活動にシフトしつつある。顧客のもとに足しげく通って関係を深め、対話を重ねることで購買意向を探るといった従来の営業活動は時代にそぐわなくなってきた。これからは効率性と、データを生かした戦略的な営業活動へのシフトが求められる。
「セールス」と「テクノロジー」をかけ合わせた造語「セールステック」という言葉が生まれ、営業部門もデジタルトランスフォーメーション(DX)を迫られる。営業部門のデジタル化はどこまで進んだのだろうか。営業部門の今を知るために、「SFA(営業支援システム)の利用状況」と題してアンケート調査(実施期間:2021年6月21日〜7月2日、有効回答数:87件)を実施した。
前編となる本稿では、勤務先での営業課題やSFAの導入状況、現在利用するサービスと導入形態などに焦点を当てて、アンケート結果を紹介する。なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので、あらかじめご了承いただきたい。
まず、勤務先における営業部門の課題について複数選択式で尋ねたところ、「情報の共有と有効活用」(57.5%)、「営業活動の効率化」(40.2%)「営業力の強化」(39.1%)、「商談、案件管理」(39.1%)、「営業担当者のスキル向上」(32.2%)などが上位に並んだ(図1)。
2016年5月に実施した同様の調査でも、最も多く回答が寄せられたのが「情報の共有と有効活用」で、その点は約5年前の結果と変わりはなく、根強い課題だ。「営業の効率化」が2位にランクしたのは、効率化、無駄の排除が強く求められる現在のビジネス環境を表しているといえる。
マーケティングや営業戦略の策定、意思決定のスピードアップなど、部門責任者の役割遂行上の課題を挙げる傾向が高かった前回に比べ、今回の調査では商談管理や営業担当者のスキル向上など、現場が営業力を発揮しきれていないことを課題に挙げる傾向が見受けられた。
営業部門における課題の変化や広がりに比例して、SFAの活用も増加傾向にある。
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