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57%のCIOが"システムを入れ直したい"と後悔 92%は新しいサービスの追加を検討

レノボは、DXの浸透に伴い企業のIT依存度が高くなったことからCIOの責任が拡大したとして、世界のCIOを対象とする調査を実施した。調査結果では57%のCIOが"システムを入れ直したい"と後悔していることが明らかとなった。

» 2022年03月31日 13時00分 公開
[キーマンズネット]

 レノボが発表した国際調査の結果によると、現在の社内システムに改善の余地があると考えているCIO(Chief Information Officer:最高情報責任者)の割合は57%で、ほぼ全てのシステムを入れ替えたいと考えている割合は21%に上ることが明らかとなった。また今後2年間に、“新たなサービス”の追加を検討すると回答したCIOの割合は92%だった。

92%のCIOが今後2年間に新たなサービスの追加を検討

 レノボは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実用化に伴い、企業戦略や財務、業務、人事などは、従来とは比較にならないほどITへの依存が大きくなっていると指摘する。CIOは、組織全体の主要なステークホルダーと連携を取りながらICT戦略を実行するなど責任がより大きくなった一方で、セキュリティ対策やシステム更新といった従来から存在する業務に忙殺されている。同調査は、こうした課題に対してCIO自身がどのような現状認識を持っているかを明らかにすることが目的だ。

 調査結果では、ここ数年で自分たちの役割が発展・拡大し、「ICT分野を超えた事業の意思決定にかかわるようになった」と感じているCIOが大半を占めた。さまざまな分野でデジタル化が進んだことにより、ICTの管理以外でCIOの役割と責任が拡大したと回答した割合は9割に及んだ。

 具体的にICT管理以外のどのような業務で役割が増したか(複数回答)という質問に対して、「データ分析・事業報告」と回答したCIOの割合は56%、「持続可能性・ESG(Environment Social Governance)」は45%、「DE&I(Diversity Equity&Inclusion)」は42%、「人事・人材獲得」は39%、「販売・マーケティング」は32%だった。そして、最も解決が困難だと感じている課題(複数回答)では、「データプライバシー/セキュリティ対策」(66%)、「サイバーセキュリティ/ランサムウェア対策(66%)、「技術の進歩への対応」(65%)、「断片化したITベンダーエコシステムの管理」(61%)、「新たな技術の採用・導入」(60%)が上位に挙がった。

 CIOが、企業の課題解決をICTベンダーのソリューションに依存していると考えていることも分かった。今後5年の間に、企業内の問題解決をベンダーに依拠するとCIOが予想している事柄(複数回答)で上位に挙がったのは、「組織のアジリティの向上」(60%)、「企業のシステムと業務のセキュリティ確保」(52%)、「技術の構成・導入・保守の簡素化」(50%)、「コストの最適化」(43%)だ。そして、自社のシステムがベンダーのソリューションと効果的に統合されており、全体的な生産性が向上していると回答したCIOは8割を占めた。

 一方、CIOが、現在の社内システムには改善の余地が大いにあると感じていることも明らかになった。「最初からやり直す機会があれば自社の現在のシステムの半分以上を入れ替える」と回答したCIOの割合は57%となった。さらに自社システムの中で、DaaS(Device as a Service)を前年よりも多く利用する企業は63%となり、ビジネスモデルの変化に伴い、「今後2年間に新たなXaaSを追加する」と回答したCIOは92%に上った。

 なお、今回の調査は、2021年12月6〜21日に、従業員数250人以上の企業のCIOを対象に実施した。ブラジルや中国、日本、シンガポール、英国、米国からほぼ同数ずつ合計525人から回答を得た。

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