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「Microsoft 365 Copilot」でExcel、Word、PowerPointはどう変わる? ポイントを総まとめ

Microsoft 365の各ツールにAI技術を導入したことで話題の「Microsoft 365 Copilot」。Excel、Word、PowerPointでの業務はどのように効率化されるのだろうか?

» 2023年05月26日 07時00分 公開
[村田知己キーマンズネット]

 「ChatGPT」を始めとしたAI(人工知能)技術の業務利用が進んでいる。Microsoftは「Microsoft 365」にこの技術を掛け合わせた「Microsoft 365 Copilot」(以下、Copilot)のリリースを予定している。

 Copilotを利用することで、「Microsoft Word」(以下、Word)や「Microsoft Excel」(以下、Excel)、「Microsoft PowerPoint」(以下、PowerPoint)などのMicrosoft 365の各アプリケーションを自然言語による指示(プロンプト)で操作できるようになる。日本マイクロソフトの近江岸 建太氏(パートナー事業本部 クラウドセールスマネジャー)によれば、ユーザーが作成したドキュメントやメール、会議、チャットなどのデータ(「Microsoft Graph」)と大規模言語モデル(LLM)、Microsoft 365の各アプリケーションが組み合わさることで、それが可能になったという。

図1 Copilotによる業務効率化のイメージ(出典:近江岸氏の講演資料)

 資料作成やデータ分析など、多くの業務を効率化できるようだが、具体的にはどのようなことができるようになるのだろうか。

本稿は、JBCCが2023年5月11日に開催したセミナー「進化するMicrosoft 365を使いこなすには? 今こそ運用管理を点検せよ!〜AI、Copilot、LoopなどMicrosoft 365最新情報と管理者が押さえておくべきポイント〜」の内容を編集部で再構成した。

Excelのデータ分析、長い関数からついに解放?

 Excelでは、Copilotを使うことでデータの分析をAIに任せられる。

図2 ExcelでのCopilot利用イメージ(出典:近江岸氏の講演資料)

 ある月の売り上げを分析する場合、売り上げデータの集計や、データから読み取れるポイントの要約、売り上げ増減の理由の分析などが可能だ。分析した結果を表やグラフで表すこともできる。「もし第1四半期の成長が今後も続けばどうなるか?」などの予測も可能だ。

 AIが答えを導き出す過程がブラックボックスになることがしばしば問題視されるが、近江岸氏によると、Copilotを用いてデータを分析すると、どのようなデータを、どのようなロジックで分析したかも提示してくれるという。

Copilot in Excelにおけるプロンプトの例

  • 類型別や流通チャネル別に売上高の内訳を割り出し、表にまとめ直してください
  • 「変数1」の影響を予測した上で、視覚化して、ユーザーが理解しやすくするグラフを生成してください
  • 「変数1」の成長率の変化が、粗利益にどのように影響するかをモデル化してください

Wordでのドキュメント作成は「情報収集」からAIにお任せ?

 WordでCopilotを利用することで、ChatGPTや「Bing AI」のようなチャット形式で、別の資料を引用してドキュメントを作成させたり、ドキュメントのデザインイメージを指示したりすることができる。

図3 WordでのCopilot利用イメージ(出典:近江岸氏の講演資料)

 適切な指示を出すことで、「OneNote」などに保存された議事録を引用してクライアントへの提案書を作成したり、過去の資料のデザインをまねたりといったことも可能だ。他の資料を参照する場合は、参照元で使用されている画像も引用できる。生成した文章の要約やFAQの加筆などもしてくれるようだ。

 ドキュメント作成の前段階である情報収集から作業者をサポートしてくれる、強力な機能となりそうだ。

Copilot in Wordにおけるプロンプト(AIへの指示文)の例

  • 「文書1」と「表計算1」のデータから、プロジェクトの提案書のたたき台を2ページ作成してください
  • 3つ目の段落をもっと簡潔に表現したいです。さらに形式ばらない論調にしてください
  • 大まかな骨子から1ページ分のドラフトを作成してください

プレゼン資料作成は発表用の原稿まで作成

 PowerPointでCopilotを利用すると、プレゼンテーション資料をゼロから作成する必要がなくなるという。

図4 PowerPointでのCopilot利用イメージ(出典:近江岸氏の講演資料)

 Wordで作成した提案書を基にプレゼンテーションを作成したり、特定のテーマについて説明するスライドを足したりできる。スピーカーが読み上げる文章も自動で生成してくれる。

 デザインをどこまで細かく指定できるのか気になるところだが、少なくとも資料のたたき台をつくるのには大いに役立ちそうだ。

Copilot in PowerPointにおけるプロンプトの例

  • Wordの文書に基づいて、5ページ分のプレゼンテーションを作成してください。関連する画像も含めてください
  • このプレゼンテーションを3ページ分に要約、整理してください
  • この3つの箇条書きを3つの例に書式を設定し直し、それぞれに適した画像を選んでください

 Copilotは2023年5月現在、一部の企業でテスト利用されており、Microsoftは「今後数カ月のうちに提供を拡大」すると述べる。Copilotを利用するにはMicrosoft 365を利用している必要がある。プリインストール版のOfficeやボリュームライセンス、Software in CSPなどのユーザーはMicrosoft 365への移行を検討してほしい。

 既にMicrosoft 365を利用しているユーザーは、Copilotによって現在の業務をどのように効率化できるのか、事前に計画しておくのもいいだろう。

図5 Copilot提供前の準備(出典:近江岸氏の講演資料)

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