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旧態依然のオフィスはもう終わり? 企業が考える新しいスタイルは

コロナ禍を通してテレワークが浸透した一方、オフィスの重要性も再認識されるようになった。アフターコロナのオフィスはどういったものなのだろうか。

» 2024年01月31日 11時30分 公開
[Carolyn CristHR Dive]
HR Dive

 コロナ禍を通してテレワークが浸透した一方、オフィスの重要性も再認識されるようになった。すでに多くの企業がコロナ禍の経験を生かし、新しいオフィススタイルへの投資を進めている。

 企業が考える、アフターコロナのオフィスはどういったものなのだろうか。調査の結果からその詳細が分かる。

コロナの経験を生かすとオフィスはどうなる?

 スタートアップ向けシェアオフィスを展開するCICとHarvard Business Review Analytic Servicesが2024年1月24日(現地時間)に発表したレポートによると、物理的なワークスペースは企業文化の醸成、ビジネスの成功に影響を与えるという(注1)。

 『Harvard Business Review』の読者560人以上を対象としたワークスペースに関するアンケートで、回答者は過去3年間に自社が実施した変化として、「本社以外のサテライトオフィスの増加」(22%)、「フレキシブルワークスペースやコワーキングスペースのリース」(18%)、「長期契約から短期契約へのシフト」(16%)、「他企業へのオフィススペースの貸し出し」(16%)などを挙げた。

 また、報告書によると、企業は従業員同士のつながりやコラボレーションを優先しているのが分かる。「テレワーカーとオフィスワーカーをつなぐデジタル会議スペースの増設」(76%)、「割り当てのないデスクの増設」(62%)、「ミーティングスペースやコラボレーションワークスペースの増設」(59%)など、ファシリティーを変更したと回答した。

 また、ワークスペースの決定に関与している人のうち、86%が「物理的なオフィスに来るという選択肢があることは従業員にとって有益である」と回答している。

 CICの創設者兼CEO(最高経営責任者)であるティム・ロウ氏は声明で(注2)、「ここ数年、ワークスペースのダイナミクスが組織のあらゆる側面に大きな影響を与えることが明らかになった。調査結果は企業がフレキシブルなオフィスやコラボスペースがもたらす最終的な利益にますます気づき、コストだけでなく、コミュニティーや文化という重要な価値を優先するように進化している」と強調した。

 ワークプレースを見直す理由についての質問では、「企業文化やエンゲージメントを向上させたい」(42%)、「従業員が直接会って仕事をすることを奨励したい」(34%)、「より魅力的な雇用主になりたい」(24%)が上位に挙がった。

 報告書によると、雇用主はコミュニティー、つながりについても検討している。回答者は、「自社がより多くのメンタリングや専門的な成長の機会」(53%)、「チームの絆を深める外出」(52%)、「より広いビジネスコミュニティーとつながるための対面イベント」(77%)を追加したと回答した。

 不動産サービス企業CBREのレポートによると(注3)、企業は2024年、ハイブリッドワークに対応するため、ワークスペースの削減や最適化を計画している。オフィスの利用率は2020年以降低下しており、依然として新型コロナウイルス感染症が大流行する前の水準を下回っている。

 同時に、事業再建中に破産を申請したWeWorkのようなワークスペース企業にとっては不透明な状況が続いている。オフィス回帰の方針が変化する中、柔軟性は引き続き重要な優先事項だ(注4)。

 コンサルティングファームErnst&Young(EY)のレポートによると、これからのオフィスの在り方は"何らかのハイブリッドモデル"が主流になるという。ほとんどの企業はフルリモートからシフトしており、中小企業はオフィススペースを増やし、大企業はスペースは減らしても品質やテクノロジー、アメニティーを強化している(注5)。

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