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IT部門が社内システムをグローバル展開するための6ステップ

国内外問わず、従業員のIT体験は重要だ。IT部門をグローバル化させる6つの重要なステップを紹介する。

» 2024年03月05日 07時00分 公開
[Rebecca RayCIO Dive]
CIO Dive

 国内外問わず、従業員のIT体験は重要だ。世界中に存在する多文化および多言語のチームをサポートするため、IT部門は、データ収集や分析、セキュリティ、インフラストラクチャなどの業務プロセスをグローバル化し、ステークホルダーに提供することが求められる。

 しかし、IT部門がグローバルに従業員をサポートする際、多くの疑問や課題に直面するだろう。本稿ではIT部門をグローバル化させる方法を解説する。

IT部門をグローバル化させる6ステップ

 グローバル化されたIT体験を展開するための6つの重要なステップを紹介しよう。

1. グローバルなコンプライアンスの統合

 言語と文化はアクセシビリティーの基盤だ(注1)。グローバル化におけるコンプライアンスを、ソフトウェアアーキテクチャやメンテナンスモデルと統合する必要がある。

 他国でビジネスを展開する場合は、データのセキュリティとプライバシーを確保するため、現地にサーバを用意する可能性がある。現地で構築したシステムが業務に対応できるかどうかが不安な場合、ローカリゼーションの専門家にベンチマークを依頼し、その結果に基づいてチームをトレーニングしよう。

2. 柔軟なロードマップの作成

 全てのシステムは、市場のサポートに必要な言語に対応する形で操作できるようにしなければならない。

 また、社内スタッフは、サードパーティーの開発プロジェクトの国際的なガイドラインを確立すべきだ(注2)。データベースやコンテンツ管理、eコマース、財務報告、ビジネスインテリジェンス、CRM(顧客関係管理システム)などで必要な再構築も含まれる。ITインフラが限定的で、インターネット接続の信頼性が低く、プライバシーやデータ保護が不十分な地域でも、ロードマップを考慮する必要がある。

3. 現地のデータセキュリティとプライバシーに関する法律の順守

 システムが国境を越えてアクセスされる場合、IT部門が全社的にデータ保護についてトレーニングをする必要がある。

 データやプライバシーに関する法律は国や地域によって異なる。それぞれを個別にサポートするのではなく、最も厳しい規制を決定し、それに合わせて業務やシステムを設計しよう。

 この取り組みには、EU(欧州連合)の一般データ保護規則や中国の個人情報保護法、米国カリフォルニア州の消費者プライバシー法の順守が含まれる。

4. AIに押し潰されない

 日を追うごとにAI(人工知能)が活用されるようになったとしても、それが多言語に対応し、現地のビジネスで活用できるとは限らない。

 単純なチャットbotの試験運用から始めるにせよ、顧客分析をアップグレードするプロジェクトから始めるにせよ、言語や文化、現地のビジネスや規制に関係なく、国際的なユースケースを想定してAIアプリケーションを設計し、テストする必要がある。

 ローカライゼーションチームは、言語を意識した設計とローカルユーザーの体験を実現するためのトレーニングを実施すべきだ(注3)。一般的なAIエンジンは、まだ多くの言語に対応していないことに注意が必要だ。

5. 国際的なホスティング要件に注意を払う

 パブリッククラウドサーバをベースとしたテクノロジーの使用など、組織のITホスティングルールは、企業のグローバルビジネスを管理するシステムの選択に大きな影響を与える可能性がある。

 ホスティングを社内データセンターに限定する戦略は、最新テクノロジーへのアクセスを制限する可能性がある。どのような制約があろうとも、現地市場の従業員やステークホルダーをサポートするためには、ビジネスやデータ、テクノロジー、業界のコンプライアンス要件の全てを満たすモデルが必要だ。

6. 自社の弱点となる可能性のある第三者パートナーを特定する

 チームの一つまたは複数が外部の専門知識や知的財産に依存している場合、そのパートナーが提供する顧客向けサービスが、彼らの基準ではなく、自社の基準に従ってグローバル化されているかどうかを確認しよう。

 企業が最も避けるべきは、自社が提供する全てのコンポーネントがグローバル化に対応しているにもかかわらず、サードパーティー製のソフトウェアがグローバル化に対応していないために損害を受けることだ。

 ITプロセスやシステムを拡張および統合して適切なインフラを構築や維持し、他のビジネス部門が国際的なコミットメントを達成できるようサポートすることは容易ではない。しかし、グローバル化の推進とその維持は、ITにとって単なるビジネスプロセスの一つに過ぎず、それ以上でもそれ以下でもない。

 後になって、再設計やキャッチアップする必要がないよう、今すぐグローバル化をプロセスに統合しよう。

※本稿は、国際的な調査企業であるCSA Researchのレベッカ・レイ氏(ディレクター)による寄稿だ。

出典:6 steps for CIOs enabling global IT operations(CIO Dive)
注1:What Separates Language from Accessibility and Responsibility?(CSA Research)
注2:Software Developers Yes, You!(CSA Research)
注3:AI Increases Collaboration Opportunities for Product Managers and Localization Teams(CSA Research)

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