アンケートでうっかり聞き忘れた情報を、Power Automateを使って後から追加する方法について解説します。アンケートに限らず、「既存のExcelシートにPower Automateでデータを追加したい」ケースに応用できるので、Excelのレポート作業や集計作業の効率化に非常に役立ちます。
日本ビジネスシステムズ(通称:JBS)の舟越です。前回の「Excelリストのコピペから解放される Power Automateを使ったメール効率化術」は多くの方に読んでいただけたようです。ありがとうございました。
その際、過去記事に遡って読んでいただいた方もいたようです。こちらもまたありがとうございます。
今回の記事を書くにあたって自分でも過去記事を読み直していたところ、アンケートを実施後に「しまった! あの情報も取っておけばよかった!」と気づき、慌ててしまった経験を思い出しました。皆さまも、何かアンケートを実施後に同じような経験をされたことはないでしょうか。
そのときは、アンケート結果を集計した「Microsoft Excel」のシートに、Power Automateを使ってデータを追加する事で事なきを得ました。今回は、そんなうっかり聞き忘れた情報を、Power Automateを使って後から追加する方法について解説します。アンケートに限らず、「既存のExcelシートにPower Automateでデータを追加したい」ケースに応用できるので、Excelのレポート作業や集計作業の効率化に非常に役立ちます。
ここまでの連載、今回も含めて単体記事としてもお読みいただけるのですが、実は業務のシナリオとしては一連の流れを想定しています。
ごく簡単な流れは下記の通りです。
このように、アンケートで取得したデータを元にExcelのリストを用意すると、個別メールを送ったり、当日の参加者リストとして利用したり、といった活用ができて非常に便利です。
ただ、もしここで、アンケートで取り忘れたデータがあったらどうすればいいでしょうか。
聞き忘れた情報がユーザーしか分からない場合は聞き直すしかないのですが、別に管理しているデータから情報を取得できることもあります。
例えば、アンケート結果で聞き忘れたユーザーの勤務地や電話番号、上司の氏名やメールアドレスといった情報を、別途人事データベースからダウンロードして、ExcelのVLOOKUP関数で結合する、といったことが考えられます。
もちろんそのような方法でもいいのですが、Power Automateで取得できる情報の場合は、フローを作って追加取得できます。特に、過去の連載でも出てきた「ユーザー プロフィールの取得」や、ほぼ同様の操作で利用できる「上司の取得」で得られる情報については、Power Automateを使うと便利です。
本記事では、Power Automateを使って、既存のExcelのユーザーリストに、本人の「勤務地」と「電話番号」および上司の「氏名」と「メールアドレス」を追加するフローを作成します。
今回のシナリオでは、「Microsoft 365」のアカウントに対して「勤務先所在地」「マネージャー」「携帯電話番号」が設定されていることを前提としています。
今回も、連載2回目のフローを使って作成したExcelを利用しますが、メールアドレスまたはUPNの情報が含まれており、テーブルが設定されていれば、お手元にあるExcelでも同じような仕組みを作ることができます。以前の連載記事を読んでいただいた方はもちろん、未読の方もぜひご覧ください。
データを追加したいExcelを開いたら、追加したい情報を入れるための列を追加します。今回は、「勤務地」「電話番号」「上司氏名」「上司メールアドレス」の4つの列を追加します。
Excelへの準備はこれだけですが、念のため、今回の作業をする前に、ファイルをコピーして別の場所に保管するなど、バックアップを用意しておくことを強くお勧めします。理由は後の章で説明します。
続いて、この列に値を追加するためにフローを作成します。
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