朝日新聞社と日経新聞社は、米Perplexity AIが2社の著作権を侵害しているとして当該行為の差し止めと損害賠償を求める訴訟を提起した。
朝日新聞社と日本経済新聞社は2025年8月26日、生成AI検索サービスを提供するPerplexity AIが2社の著作権を侵害しているとして、侵害行為の差し止めと損害賠償を求める訴訟を提起した。
Perplexity AIは生成AIを活用した検索サービス「Perplexity」やAIエージェント機能を備えたWebブラウザ「Comet」を提供するAIスタートアップ企業だ。Perplexityでは、検索ボックスに単語や文章を入力すると、複数のWebページとその内容を要約した文章がユーザーに表示される。
朝日新聞社と日本経済新聞社は、Perplexity AIが有料記事を含むコンテンツを無許諾で利用している行為について、著作権や翻案権、公衆送信権を侵害していると主張する。Perplexityが表示する要約文についても、2社の記事を引用元として提示した上で虚偽の事実を表示することで新聞社としての信用を毀損(きそん)しているとして、不正競争行為にあたると指摘する。
2社はPerplexity AIに対して、記事の複製や送信、社名や引用記事を示して虚偽の回答を表示する行為の差し止めと、保存した記事の削除を求めるとともに、合計44億円の賠償金を請求する。
朝日新聞社と日本経済新聞社は、同社Webサイトの設定ファイル「robots.txt」で生成AIツールのクローラがアクセスしないよう設定している。2社のrobots.txtを見ると、OpenAIやAnthropic、Google、Perplexity AIなどの生成AIツールベンダーに関連するクローラを個別に拒否していることが分かる。
一方で、Perplexity AIはこの制限を回避してクローリングを続けているとの指摘もある。Cloudflareが8月4日(現地時間)に公開したブログ記事によると、Perplexity AIのクローラはWebサイトにブロックされるとクロール元を隠したり、robots.txtを無視したりと、さまざまな手法を実行しているという。
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