アース製薬は業務デジタル化クラウド「SmartDB」の本格運用を始めた。業務部門が自らアプリを構築できる環境を整え、全社DXの加速と統制強化、業務効率向上を図る。
業務部門におけるデジタル内製化は、あらゆる企業における経営課題だ。業務部門のデジタル化に課題を抱えていたアース製薬では、2026年4月から、ドリーム・アーツの業務デジタル化クラウド「SmartDB」の本格運用を始めた。同サービスを業務基盤として活用することで、全社的なDXを加速し企業競争力の強化を図る。
アース製薬では、DXビジョンとしてデジタルを経営の原動力と位置付け、変化への対応や人々の豊かな暮らし、持続可能な社会の実現を掲げている。データ活用や顧客接点のデジタル化だけでなく、人材育成にも力を入れてきた。
その過程で情報システム部門の統制を維持しつつ、業務部門自身が業務改善へ取り組める体制づくりが課題となっていた。従来のシステムは個別開発を前提としていたため、現場担当者が自ら仕組みを構築することは難しかった。情報システム部門にも各部署から多様な要望が集まり、保守運用と新規開発への対応負荷が増加していたという。メール中心の運用では情報や進捗が各部署に分散し、業務全体の把握もしにくい状況だった。
同社は、こうした課題への対応策の一つとしてSmartDBを採用した。選定理由には、ITの専門知識が少ない担当者でもノーコードで業務アプリを開発できる点が挙げられた。業務部門が自ら課題解決へ取り組める環境を整えられることに加え、大企業へのセキュリティ機能や権限制御を備え、情報システム部門による全体管理も維持できる点を評価したという。
導入支援や活用支援だけでなく、利用企業同士が知見を共有できるコミュニティーも評価対象となった。また、利用者自身が運用能力を高めやすい仕組みを備えるや、複雑な業務要件に対応可能な標準機能を数多く備えていることも、評価している。
導入後は業務部門と情報システム部門の双方で成果が表れた。業務部門ではITに詳しくない担当者が約1週間で申請アプリを構築した。短期間で試作と改善を繰り返す開発手法が広がり始めている。
情報システム部門ではノーコード基盤の採用により、高度な開発経験へ依存せずシステム構築が可能となった。開発効率が向上し、全社展開は当初計画より1カ月早く実現した。
業務改善にも成果が出ている。ソフトウェア購入業務では見積依頼から導入までメールで分散していた手続きを単一のワークフローへ集約した。情報や進捗を一元管理できるようになり、意思決定の迅速化につながった。
今後は業務部門による開発体制の拡充と定着を図るという。ドリーム・アーツのユーザーコミュニティーから他社事例も取り入れ、活用範囲を広げる方針だ。AI機能「SmartDB Practical AI(PA)オプション」の活用も視野に入れ、業務効率と意思決定の速度を高め、全社DXと業績向上を目指す。
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