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IPネットワークではもう限界、「情報指向ネットワーク」とは?(3/4 ページ)
新しい情報指向ネットワーク技術「DCN」とは
これら課題を解決するために研究されているのが「DCN」だ。これは、上記2タイプのいいとこ取りのような仕組みをとる。図2に仕組みを示す。
1つのポイントは、データIDの階層化されたプレフィックスを利用して、プレフィックスごとに集約ノードという中継ノードが通信経路情報を集約するようにしたことだ。集約ノードを分散させることで、個々のノードがもつ経路テーブルはコンパクトになり、ノード用デバイスの性能が低くても対応可能にできる。
もう1つのポイントは、いったん通信が成立すると、最も短い通信経路を「最適化経路」としてノードがその情報を保持するようにしたことだ。これにより、下位のノード間を移動するデバイスは、近傍のノードの最適化経路情報によって目的のデータへの高速アクセスが可能になる。データのキャッシングも最適化経路上のノードが行うので、広範囲に移動しても近傍のノードからデータをもらうことができるため、遅延も抑えることができる。
DCNのプル型、プッシュ型通信の例
この方式は端末からサーバに情報をリクエストして取ってくる「プル型」通信はもちろん、サーバから端末に情報を送りつける「プッシュ型」通信にも利用できる。少々煩雑ではあるが、それぞれの方法を図3、4に示す。興味がある方は以下の手順を図で追ってみていただきたい。
プル型通信の場合の手順は次の通りだ。
(1)データ登録
集約ノードまで登録要求(Reg)が転送される。登録時経路情報(RRI)が各ノードに記録される。
(2)データ移動
経路情報の変わるノード(Node111)まで登録要求(Reg)が転送される。古い経路の削除要求が古い経路をたどって転送される。
(3)データ取得(1回目)
取得要求(Get)が集約ノードまで転送された後、経路情報をたどってデータまで転送される。取得要求の返送時に、Node121に最適化経路の経路情報(GRI)が記録される。
(4)データ取得(2回目)
1回目と同様に転送されるが、Node121で最適化経路に転送される。
次にプッシュ型通信の場合は、次のような手順になる。これはPublisher(送信側)に対して複数のSubscriber(受信側)がある前提だ。
まずSubscriberの登録(Subscribe)は、次のように行う。
- 集約ノードまで登録要求(Sub)を転送
- 受信者登録時経路情報(SRI)が各ノードに記録される。途中でSRIがある場合(例:Node201)、Subの転送を停止する。
データ配信(Publish)は次のようだ。
- Publisher(HOST1)から集約ノードに向けてデータ配信要求(Pub)が転送される。
- 途中でSRIがある場合(例:Node301、Node201)は、データが複製されて配信される。
このような仕組みで従来の情報指向ネットワークの課題とされていた、高速移動体などへの情報プッシュ配信も効率化することが可能になるというのが、DCNの先進的なところだ。
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