5分で分かる最新キーワード解説
イーサネットを1Tbpsに増速する「帯域ダブラ技術」って何?(2/3 ページ)
既存の技術とどう違うのか
図2に、従来技術と帯域ダブラ技術を採用した場合との違いを示す。
図の上部のように、250Gbps(エラー訂正のためのオーバーヘッドを含めると300Gbps)のデジタル信号がDSPに入力されると、DSPのデジタル処理部分は問題ないが、DACのところで帯域幅が30GHz程度に制限されるため、光コンポーネントの電気ー光変換の出力信号の帯域幅も30GHz以下になってしまう。
この帯域幅では、多値変調技術を駆使して最大限に情報を詰め込んでも、伝送できるデータのビットレートは約125Gbps(オーバーヘッドを含めると150Gbps)になる。十分速いようだが、これでは開発チームは満足できなかった。
そこで新たに開発されたのが、図の下部に見る帯域ダブラだ。DACの限界が30GHzであることを前提に、まずはDSPの出力の後段に、前置信号処理回路を入れた。この信号処理では目的である信号周波数の半分の周波数に落としつつ、2つのDACに配分する役目を果たす。
2つのDACからはそれぞれ30GHz以下の周波数の信号が出力される。それをチップとは独立した新開発のAMUXが受け取り、高速なスイッチングにより60GHzの1つの信号として送り出す。これだけの帯域幅を使うことができれば、約250Gbps(オーバーヘッドを含めると300Gbps)の伝送が可能となる。
現在、図3のような実験系において信号送信の実証が済んだ段階だ。図に見る通り、送受信機はPCなども使いながらの模擬環境だ。レーザー光源には、波長1305ナノメートルの高速変調器集積レーザーであるEADFBレーザーを使う。
このシステムで10キロ長の光ファイバーを経由して、250Gbpsのスピードで受信側のビット誤り率は0.0263だった。これはエラー訂正で訂正可能なビット誤り率の上限である0.027よりも低い(正確には、20%のオーバーヘッドを持つエラー訂正符号の使用を前提として250x1.2=300Gbpsで実験を行い、上記の誤り率を得た。これにより実質250Gbpsで高品質な伝送が可能であることを原理実証した)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
5分でわかる最新キーワード解説
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
2
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
3
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
4
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
5
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
6
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
7
「カスハラ対応」を個人に任せない 取手市がAIで変えた窓口業務
-
8
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
9
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
10
20年物の基幹システム刷新に、マクロミルがあえて「全てを変えない」と決めた理由
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー