既存のUTMからのリプレースなどを中心に拡大するUTMアプライアンス市場。複数機能の活用が進む中、シェア1位のベンダーは?
富士キメラ総研の調べによれば、2011年度のUTMアプライアンス市場は前年比7.1%増の225億円と見込まれる。ファイアウォール専用機や既存のUTMからのリプレースを中心に、ネットワーク再構築や新規構築需要なども含め堅調に市場が拡大した。
各ベンダーとも上位製品を中心に性能向上に注力し、高度化、複雑化するセキュリティ対策としてのリプレースが続く。従来はファイアウォール機能しか利用していなかったユーザーにもIPS(不正侵入防御システム)など他の機能の利用が広がり、UTM本来の目的である複数機能の活用が進んだ。
2011年度の市場占有率(金額ベース)は、ハイエンドからローエンドまで多様なニーズに対応するベンダーが21.8%で1位になる見込みである。2位で小差の21.3%のベンダーの製品は、ハードウェアスペックによってローエンドからハイエンドまでクラス分けされる。仮想化機能「VDOM」を搭載し、データセンタでの複数のネットワーク向けとして利用が広がる。
他のベンダーでも仮想化対応製品が増えつつあるが、ファイアウォール用途では仮想化環境とは切り離してネットワークの最上位にアプライアンスを配置する傾向が強く、仮想化機能は下位のネットワーク接続での利用が主体となると予想される。従来のUTMからの乗り換えというよりは、ネットワークの中位層での新規需要が拡大するとみられる。
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