こうした背景の中で登場したReRAM搭載SSDの新制御技術は、図2のような構造を想定したものだ。
NANDフラッシュメモリが多段積層化され、その上にSCMとしてのReRAMが載り、さらにDRAM、全体をコントロールするSSDコントローラーが載る。各層を貫通するTSV(Through Silicon Via)が信号や電源を接続する仕組みだ。
データの読み書きはSSDコントローラーがReRAMとNANDフラッシュメモリに適切に割り振り、最適なメモリ利用を制御することになる。コントローラー内部の仕組みは図3に見るようなもので、この中に新制御技術が生かされている。
まず注目したいのが図3中左端の「FlexibleR Ref」という部分だ。ReRAMは抵抗値の変化によって0と1とを表現するメモリだが、ビットのセットとリセットを繰り返すとだんだん抵抗値が高くなる特性があることが分かっている。
大容量ReRAMでは、セルごとの特性のばらつきが避けがたいため、使用回数が多くなるほどエラーの発生率が高まる課題があった。そこで開発されたのが、セット/リセット回数により基準となる抵抗値を読み出し時に動的に変化させ、読み出しエラーを防ぐ「フレキシブルリード」という仕組みだ(図4)。この技術により、エラー発生率は65%の低減ができる。
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