最後に、統合ログ管理ツールを「導入しない理由」を尋ねたところ、1位が「ログを収集しても管理・分析ができない」で44.2%、2位が「運用担当者がいない」で26.8%、3位が「規模が小さいため不要」で20.3%、4位が「現状のログ管理方法で十分」で17.4%、5位が「導入コストがネックになっている」で15.2%と続く結果となった。「ログ収集後の問題点」の回答同様、収集後のログ活用がうまくできないことを懸念する傾向があるようだ。
また、統合ログ管理ツールにおける課題や悩みについて尋ねたところ、「監査対応やSOX対応などからログ収集の重要度は理解されているが、丸ごと全部収集しておくことが多い。活用方法を明確にし、必要最小限のログを有効活用する形で保管する手法や事例の提案があると良い」や、「管理方法のレベル感が担当者やベンダーによりまちまちで、統合管理する意義や効果が経営に説明できない」「ログの活用方法がWebサイトには掲示されていない。導入後、課題解決に役立つ確信が持てない」など、収集したログの活用方法について企業内で整理できていない意見が多く聞かれた。
大企業に限らず、中堅中小企業でも関連会社がJ-SOX法の対象となっているために内部統制が求められることもあり、統合ログ管理ツールの活用はとても有効だ。また、今後事業拡大を考える上では不可欠になる。
ただ、手当たり次第に収集しても、ログばかりが膨大になることでサーバ容量を圧迫しストレージの無駄遣いにつながってしまったり、管理や分析がおろそかになってしまったりする可能性もあるため、担当者は導入前に目的と活用法をしっかりと整理し、ログを収集する範囲に優先順位を付ける必要がある。
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