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ついに「802.11ac Wave2」が登場、最新無線LAN事情IT導入完全ガイド(4/5 ページ)

» 2015年08月24日 10時00分 公開
[酒井洋和てんとまる社]

「IEEE802.11ax」など最新規格へのアプローチ

 802.11ac Wave2が市場に登場したばかりではあるが、その次の規格は現状どのようになっているのだろうか。具体的に出ているのは「IEEE802.11ax」と呼ばれるもので、高密度環境での快適な通信を実現するための技術が盛り込まれる予定の規格だ。リリースされるのが2019年の予定となっており、IEEE802.11acの次世代規格として注目したい。

 一方で、通信事業者側では2.4GHz帯や5GHz帯といった周波数帯を使って、LTEで通信を行う「LTE-U(LTE in Unlicensed spectrum)」や「LAA(Licensed-Assisted Access using LTE)」といった、免許不要の周波数帯を補助として活用することで高速通信を行うものも注目されている。セルラーとWi-Fiのアグリゲーションが今後は大きな潮流になっていく可能性はある。

Wi-FiおよびBluetoothによる位置測位技術

ハイパーロケーションモジュール 図5 ハイパーロケーションモジュール

 最近発表されたAPの中で、とてもユニークなものがある。それが、ハイパーロケーションモジュールと呼ばれるユニットを搭載した無線LANだ。シスコシステムズが提供しているこの製品は、従来のAPの外側にハイパーロケーションアンテナと呼ばれるモジュールを、真ん中に長方形のハイパーロケーションモジュールを取り付ける形になる。

 ハイパーロケーションモジュールは、20〜80MHz幅を検知するモニター機能だけでなく、無線LANの不正な通信を検知して新入防止を行うWIPS(Wireless Intrusion Prevention System)機能としても機能し、さらにBluetooth Low Energyによる位置測位が可能になるユニットだ。

 ハイパーロケーションアンテナは、32個のアンテナがアンテナ内に内蔵されており、Wi-Fiであっても1メートル程度の誤差で屋内での位置測位が1台のAPで可能となるユニットだ。

淘汰(とうた)されるベンダーの動き

 2015年に入ってから無線LANベンダーの動きも慌ただしい。メルー・ネットワークスがフォーティネットに、アルバネットワークスがヒューレット・パッカードに買収されるなど、専業で無線LAN製品を提供してきたベンダーが次々と買収されている。

 無線LANが高速化、高度化していくなかで、どうしても有線ネットワークとの柔軟な連携が必要になってきており、有線と無線の統合製品を求めるユーザーの声にも応える形となっている。対して国内ベンダーはいまだにそれぞれ単独で製品を展開しており、買収の動きは今のところ見受けられない。

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