タイムレコーダーや他のデバイスで記録した打刻データは従業員個人とひも付けて勤怠管理システムで管理され、APIやバッチ転送により給与管理システムなどに連携させるのが一般的だ。このような勤怠管理システムでは当然、勤務時間の計算事務は大幅に軽減する。だが最も注目すべきなのが、勤務時間を個人別に、月末などの集計時期を待たずにリアルタイムに集計できることだ。
例えば次のようなことが可能になる。
従来なら月に一度の集計までは気が付かないようなことが毎日でも確認でき、システムによっては条件を設定してアラート発報することもできる。アラートメールを管理者だけでなく従業員自身に向けて自動発信することも場合によっては可能だ。残業時間の規定超過や過重労働の傾向などが、事後ではなく事前に把握できることにより、適切な指導や助言、業務負荷軽減などの対策が取れ、コンプライアンス違反や健康状態悪化の予防につなげることができる点がITツールならではのポイントだ。
図8の月次集計画面に見られるように、年休の残日数や欠勤、公休日数、遅刻回数なども、必要な都度最新データを確認できるので、適時に有給休暇を利用することを勧めたり、あまりに遅刻や欠勤が多い場合には体調管理についてのアドバイスを行ったりするなどの対応を取ることができるだろう。
「誰が時間外労働時間のしきい値を超えそうか」「恒常的長時間労働をしている従業員がいるか」「有給休暇の付与、消化状況や時間外労働のつけ替え状況」など、手計算ではとてもできない全社の状況把握ができるところが、勤怠管理ツールを利用する大きな理由だ。
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