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ノンプログラミング業務アプリ開発ツール、環境別に考える3つのアプローチIT導入完全ガイド(3/3 ページ)

» 2016年05月25日 10時00分 公開
[原田美穂キーマンズネット]
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 上記2製品のように、スタンドアロンまたはオンプレミスで展開できるものの他にクラウド型のノンプログラミング業務アプリ開発ツールを使う選択肢もある。

ソフトウェアの購入もナシ、クラウド型のノンプログラミング業務アプリ開発ツール

 クラウド型のノンプログラミング業務アプリ開発ツールの利点としては、次のものが挙げられる。

  • 課金が月額制
  • アカウントを取得すればすぐに利用可能
  • ユーザー側に運用の負担がない

 課金が月額制であれば、新たなツールを導入する場合であっても情報システム部門側にIT資産として申告する必要がない(ただし、外部サービスの利用を制限している場合は別途情報システム部門に利用申請が必要な場合もある)。代表的なクラウド型サービスのほとんどでモバイル端末からのアクセスを前提にUIがデザインされていることも見逃せない。

 クラウド型サービスでは、無償トライアルが用意されているものも多いので、目的の業務改善にマッチしているかを直接触りながら試してみると良いだろう。

 柔軟で自由なカスタマイズが可能なものも少なくないため、冒頭で紹介したような、基幹業務システムにおさまらない「日々のちょっとした業務」のための改修をすぐさま取り込める場合も多い。こうしたサービスの代表的な例には、「Salesforce.com」やサイボウズが提供する「kintone」などが挙げられる。

図4 kintoneのアプリ構築画面例 図4 kintoneのアプリ構築画面例(出典:サイボウズ)

 「Salesforce.com」やサイボウズ「kintone」といったクラウド型のデータベースであれば、各自でアカウントを取得して業務アプリを開発することができる。しかし、「画面デザイン、出力レイアウトなどが思い通りにいかない」「何でもできるため、どう作成したら良いのか分からない」と悩んでしまう利用者も少なからず存在する。

 クラウド型データベースを使ったシステム開発を定額で提供する「システム39」を展開するジョイゾーの四宮靖隆社長によると、「私どものサービスに問い合わせがあるのは、『何をどうしていいのか分からない』あるいは『予算は決まっているが部門内で作業工数を割ける人員がいない』という課題を持った人が多い」と答える。

 同社はkintoneを使った業務アプリケーション開発を、定額で提供するユニークなサービスを打ち出した企業。工数見積もりなどを考えると開発会社に依頼しにくかった「すきま業務」であっても、定額でシステム化しようという考えだ。

 「kintoneはクラウド型データベースの機能に加え、業務アプリケーションサービスとして多様な機能を提供しています。何でもできてしまうが故に『どう作りこむか』が分からず、混乱されるお客さまも少なくありません。データベースがあれば、さまざまなアプリケーションを作成できますが、どの画面で何を入力させると効率的か、何を入力させなくても良いかについては、設計ノウハウが必要な部分です」(四宮氏)

図5 「システム39」では初回のヒアリングとプロトタイプの開発・制作までを無償で提供 図5 「システム39」では初回のヒアリングとプロトタイプの開発・制作までを無償で提供(出典:ジョイゾー)

 「ヒアリングだけでは分からなかったことも画面を作成してみると見えることが多いのも事実。システム39が無償でプロトタイプの開発・制作+3回のやりとりを組み込んでいるのは、無料で初回のヒアリングを行い、数回のやりとりを通じて本当にやりたいことを作り込んでいくためです」(四宮氏)

 業務アプリ開発ツールはクラウドかオンプレミス環境かによらず、操作はGUIが基本だ。最低限の機能と集計機能だけならば誰でも簡単にアプリケーションを構築できるが、「以前と同じ形式の帳票画面を作りたい」といった場合のカスタマイズや開発者への発注では、一定のITスキルが必要なものもある。ジョイゾーでは、プロトタイプの開発・制作後の打ち合わせでは「その場で」見ながらアプリケーションを仕上げていくため、意図を伝えながらトライアンドエラーを繰り返すことができる。

 手軽に部門担当者が導入できることから注目を集めるSalesforce.comやkintoneの場合、より便利に利用するためのカスタマイズ開発を専門とするジョイゾーのような企業が多数出現している。

 従来の人月計算で開発費を見積もるシステムインテグレーターをイメージすると「部門だけで業務アプリ開発を実現する」というテーマと相反するように見えるかもしれないが、そのイメージとは異なり、「期間・回数限定」としながら対面で作りこむことで仕上がり品質を担保するのが、ジョイゾーのサービスの特徴といえる。

 自身の部門でアプリケーションを開発したいが、人手が足りない場合でも、低価格で発注できる仕組みがあるため、こうした業務アプリ開発専門の企業に相談するのも1つの方法だ。主要なクラウド型サービスでは、自社のパートナー企業を紹介するサービスを行っている。

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