より多くのユーザーが、より多くのデータを結合して分析を行うことができ、より多くの洞察につなげることを目指すのが、クリックテックのセルフサービスBI製品「Qlik Sense」だ。その特徴の1つはインメモリでデータを取り込んでデータ間の関連性をみつける「ビジュアル・データ準備」の手法を実装している点にある。
IT技術に精通していないユーザーでも、分析に用いるデータをより簡単かつ視覚的に準備・結合することが可能となっているのだ。分析に必要なデータセットは「バブル」として表現され、ドラッグ&ドロップの操作でテーブルの関連付けを行うことができ、データプロファイリングも自動で実行され、最も適切な関連付けをツール側が行ってくれる。このためユーザーは専門的なデータモデリングのスキルがなくとも、データセットを視覚的に結合することが可能となるのである。
こうしたデータ定義の簡素化を実現する鍵となる技術の1つが、クリックテックが特許を持つ「連想技術」と呼ばれる一連のデータ格納手法である。連想技術では、複数のデータソースのデータを項目ごとにまとめ、データ間の関係を保持することができる。そのため、事前に分析軸を定義しなくとも、データを簡単に組み合わせながら、利用者側が気付かない関係性を発見することが可能となる。
ここで実際に「Qlik Sense」を使用するシーンを想定してみよう。基幹系業務システムのデータベースから売上データを取り込んで、売り上げや利益率などアベレージの分布を見るとする。まず、利益率と売り上げの大きい商品、つまり売るべき商品を選択する。ではその商品をより多く取り扱ってもらっている販売会社(=得意先)はどこかを確認するために、今度は自分のPCに保管しているCSVデータを追加してみる。
するとデータベースのデータとローカルのCSVデータがインメモリ上で統合され、売上情報に得意先名がひも付いて見えるようになる。となれば、“売るべき販促対象の商品を販売できていない得意先はどこか”と情報を抽出し、その担当営業者に販売強化を促すといった施策を打つことができるのである。
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