(1)自社のデータ分析ニーズを把握する
今後セルフサービスBIがBIの主流になっていくのは間違いないと思われるが、ただセルフサービスBIを導入しただけではユーザーのデータ分析ニーズが満たされないケースも多いことに注意してほしい。
セルフサービスBIだけにフォーカスしてしまうと見誤りやすいので、次の3つのニーズも加えて考えるようにするといいだろう。
まず分析ニーズがあって、それを支えるプラットフォームを提供するという観点から製品を選定するようにしたい。
(2)分かりやすいマニュアルやトレーニングが用意されているか
いくらセルフサービスBIが簡単だと言っても、ツールをすぐに使いこなすのは難しい。ユーザーが使えるようになるまでの習熟度合いにはどうしても波があり、どれだけスムーズに習熟カーブを乗り越えるかがポイントとなる。そのため、ユーザー教育のカリキュラムが充実しており、無料のトレーニングやワークショップなどを定期的に実施しているベンダーの製品を選ぶようにしたい。
(3)ユーザーコミュニティーの活動は活発か
ビジネスユーザーが直接使いこなすものであるだけに、現場のユーザーによるユーザーコミュニティーの存在は重要なポイントとなる。一般的なITツールよりも活用度ははるかに高いと言っていいだろう。そのツールの技術的なプロよりも、同じ業務で活用している現場のユーザー同士で相談し合ったほうが問題解決につながったり、新たな活用法のヒントを得たりできるケースが多い。さらに製品によってはユーザー間で情報を共有しあう文化が醸成されている活発なユーザーコミュニティーもあるので、選定時には活動内容などを確認するようにしたい。
セルフサービスBIの導入を成功させるキーワードは“Seeing is Believing(百聞は一見にしかず)”だ。多くのベンダーでは製品の使用版を用意しているので、まずはユーザーにそれらをインストールしてもらい、手元のデータを取り込み可視化するまでを実践してもらうといいだろう。自分がよく知っているデータを可視化してみることで、想定していたような分析が行えるのか、仮にできたとしてそれは本当に役立つのか、いち早く現場が評価できるようにするのである。こうして現場が“これは使える”と判断すれば、簡単な成果物を決裁者に見せることで説得しやすくなるだろう。
従来型のBIの場合は、きっちり計画して要件定義を行い、データモデルはどうするかなど長いプロセスを1つ1つ情報システム部門が主導していくケースが一般的であった。しかしセルフサービスBIの導入の際には、現場での評価後にスモールスタートして、使いながら利用者や利用範囲を拡大していくといったケースが非常に多い。このフットワークの軽さもセルフサービスBIの特徴だ。
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