今回発表された日米間のデータ転送のイメージを図1に示す。日本側はNICTが運用する研究開発テストベッドネットワーク「JGN」の実験回線環境と、NIIが構築、運用する日本の高速学術情報ネットワーク「SINET5」が主に用いられた。
日米間はSINET5が2016年4月から運用している100Gbps回線2と米国の国際学術ネットワークTransPAC/Pacific Waveが運用している100Gbps回線の回線(合計200Gbps)で米国側の高速学術情報ネットワークと結んだ。
実験は、SC16会場にあるNICTブースと日本のJGN東京ノード間で複数実施された。例えば超高精細の8K/4K映像の非圧縮配信や、日米の複数拠点の演者によるモーションキャプチャーデータを、日本拠点で8K CG映像にリアルタイムレンダリングし、非圧縮のままSC16ブースに配信する実験(神奈川工科大学、NII、NICTの共同実験)などに成功している。これらの実験において冒頭の長距離高速転送の世界記録が生まれた。
なお、往復でのネットワーク遅延はシアトル経由で115ミリ秒、ロサンゼルス経由で113ミリ秒あったが、回線品質にほぼ差がなく、通信は両経路にほぼ均等に分散されたという(図2)。
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