一方、世間一般にAI関連の先進企業としてのイメージが最も強いのは、「AlphaGo」で人間に勝利したことで話題になったGoogleかもしれない。同社の機械学習関連の技術といえば前述のTensorFlowがよく知られるが、これをクラウドサービスで利用可能にした「Google Cloud Machine Learning」をプレビュー版として公開している。
この他、学習済みサービスのAPIとしてはGoogle Cloud Platform上で、画像認識、音声のテキスト変換、翻訳などのサービスを提供している。例えば、画像認識ではディープラーニングを応用し、主要なランドマークの画像を自動でタグ付けできるようになっているなど、自社で開発しなくても一般的な内容であれば一定の精度を得られるサービスを簡単に使えるようになっている。
また、国内では富士通は機械学習関連のAPIを自社の総合的なクラウドサービスのラインアップの1つとして公開、海外勢と同様の学習済みサービスも1社で提供できる体制を整えている。企業情報システムの運用環境との組み合わせを考えると、国産ITベンダーで完結して学習済みの機械学習APIを利用できる点は、日本企業にとってありがたいところだろう。国内企業ではこの他にも、自己学習型のアプリケーション開発を支援するサービスを展開する企業も多い。
いずれも若い技術だが、学習済みサービスの場合は「何らかの業務データを元に新しいアプリケーションを作成する」といった時にさほど費用がかからないことから、資本が少なくてもアイデアと組み合わせで勝負ができるものも多い。前述のように、要件が固まる前の段階から協業できる相談サービスも登場しているので、まずは「何ができそうか」のイメージをつかんでおきたい。
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