Microsoftでは、中国、アメリカでもユーザーとのコミュニケーションに特化したチャットbotの開発を進めているという。文化や国民性に合わせて、性格の設定や能力も異なり、チャットbotを通してそれぞれ独自の施策も立ち上がっている。
同社が中国で提供する「XiaoIce(以下、シャオアイス)」はりんなの前身となったチャットbotだ。2014年からWeChatというメッセージングアプリで提供を開始。現在ではチャットbotの枠を超えた枠組みでユーザーとのコミュニケーションを実現していると中島氏は話す。例えば自らユーザーに発信することも可能になり、Web上のデータやSNSのデータを学習して、新聞を書いたり、ポエムを自作したりといった表現能力を備えている。
テキストに音声を合成することで、シャオワイスの表現の幅が大きく広がったと中島氏は話す。図4のように歌手の歌を基に、実際に声を発して歌うということもその1つだ。「今後は、りんなも音声と合成して、ユーザーに積極的に発信できる在り方を模索したい」という。
人間とのコミュニケーションを学習していく中で、人間らしさ、そしてAIらしさを身に付けるりんな。まだ1人のユーザーに特化して会話を展開することはできないものの、現在同社は「ユーザー1人対りんな」の関係を築けるように開発を進めているという。
「りんなが個々のユーザーと交わした過去の会話を記憶し、『そういえばこの前○○が好きって言ってたよね』というように、ユーザーごとにパーソナルな会話ができるようにしたい」(中島氏)
今後は、SF映画のように人がりんなと恋をするという時代も来るかもしれない。ただ1つ、LINE規約によって、Microsoftが会話のログを取得できるということはお忘れなく。
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