ここまでで、ファイルサーバの利用状況を見てきた。多くの企業に定着して久しい「枯れた」ツールであることもあり、約1年前と比較しても利用状況や満足度に大きな変化はなく、高い満足度であった。この状況を裏付けるようにリプレース意向も高くはないが、テレワークなどの労働環境改善の視点から、一部でクラウド型ファイルサーバやクラウドストレージなどの利用を望む声が出てきているのが今回の調査の特徴だ。
あるいは改正個人情報保護法、GDPRといった外的な要請によって、今後は企業のデータマネジメント能力が問われる場面が増えてくることが考えられる。現状のファイルサーバの課題に挙げられた「管理できない」という問題は、直近で対策せざるを得ないリスクになる。このため、「ごみ箱」化しているファイルサーバがあれば、今後、見直しを求められる企業は増えるものと予想される。代用ツールとしてのグループウェアや社内SNSの利用度が高まっているが、今後1年で、この状況がどう変化するかは注視したいところだ。
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