同社は過去の失敗から得た教訓をもとにツール選定に6つの条件を設定した。
これらの条件を満たすツールを検討した結果、選定されたのが「Dr.Sum EA Premium」だった。同ツールオプションのOLAP・レポーティングツールである「Datalizer for Web」と「Datalizer Express for Excel」も同時に導入することとなった。
Dr.Sum EAには利用ユーザー数やデータ量などの運用規模に応じて異なるエディションを用意している。同社が選定したDr.Sum EA Premiumには、上位のEnterprise版があり、これは年間2億件の明細データを1つのテーブルに格納可能という点で理想的だった。しかし、同社はコストパフォーマンスの面でPremium版を選び十分な分析のパフォーマンスを実現しているという。
「当初は、Premium版だと年間データが1つのテーブルに収まらないという懸念がありました。しかし、ユーザー部門にヒアリングしたところ、飲食店のメニューは月単位で変化しているため、新メニューの成功、失敗などは数週間分のデータを分析することで判断できるというのです。1年はもとより数カ月間のデータ分析もあまりニーズがなく、それなら安価なPremium版でよいという判断となりました」(大場氏)
この導入により、売上、勤怠、仕入れの3種データはそれぞれのデータベースに格納され、Dr.Sum EAサーバで一元管理できることとなった。ユーザーは、1つのアプリケーションからデータの管理、加工が可能になる。これをユーザーに活用してもらわなければならない。同社は導入の際に次の3つのステップを踏むことで、ユーザーの利用を促進している。
まずは、Web版ツール(Datalizer for Web)を全員に利用してもらうステップを第一段階とした。この段階で30以上の汎用帳票(現在は100以上に増加)も用意し、多くの帳票作成のニーズに応えられるようにした。部門の代表者を選んで1〜2時間の操作説明を行い、マニュアルを渡して従業員への説明を促した。するとほぼ全従業員が必要なデータ抽出ができるようになり、1カ月ほどで独自分析を行う社員も出てきたという。
次のステップとして、独自の分析軸を作りたいパワーユーザーには、Excel版(Datalizer for Excel)を解放した。Excel版はデータベース構造をある程度理解して利用する必要があるが、操作は「Web版より圧倒的に早くてラク」なので、経営企画、経理、マーケティングスタッフはExcel版を好むという。
また、最終的には従業員全員がExcel版を活用して独自に分析を行えるよう工夫をしている。「この先は毎日、毎週の会議のための資料を自動的に生成できるようにし、会議準備のための工数を軽減したいと考えています」と大場氏は話す。
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