生成AIが普及するにつれ、「AI PC」の検討も進んでいる。しかし、スペックが高いPCを導入することはコストなどさまざまな面で調達担当者の頭を悩ませる。あるアンケートで、企業のPC調達における課題の傾向が示された。
生成AIは、もはやほとんどの企業の業務に浸透した。生成AI活用を見据えた、いわゆる「AI PC」の検討を進めいている企業も増えている一方、コストや使い方への懸念も多い。
SSマーケットは、そのような課題を背景とし、業務用PCの管理・調達担当者545人を対象に調査を実施した。調達担当者はどのような点に悩みを感じているのだろうか。
勤務先における生成AIツールの業務利用状況に関する設問では、「全社的に利用を許可している」が49.4%、「部門・用途を限定して許可している」が26.6%だった。「特にルールや会社の方針はない(社員の裁量に任せている)」は14.7%、「試験導入・検討中」は7.0%、「利用を禁止・制限している」は2.0%、「わからない」は0.4%となった。程度の差はあるものの、ほとんどの企業で生成AIを利用しているようだ。
生成AI活用を前提にしたPC調達・入れ替えの状況では、「積極的に調達・入れ替えを進めている」が40.6%、「前向きに検討・準備を進めている」が34.7%となった。合計75.3%が何らかの対応段階にある。「必要性は感じるが具体的な動きはできていない」は10.1%、「(まだ)必要性を感じていない」は13.4%、「わからない」は1.3%だった。
AI処理専用チップのNPUを搭載したAI PCの認知・導入状況では、「導入済み」が29.9%、「知っており現在検討中」が44.2%だった。合計74.1%が導入か、検討段階にある。「知っているが検討していない」は8.8%、「名前は聞いたことがある程度」は5.9%、「知らない」は11.2%だった。認知が浅い企業は「名前は聞いたことがある程度」と「知らない」を足した17.1%となった。
PC調達・買い替え時の不安についての設問では、「AI活用のためにスペックを上げても、使いこなせないリスクがある」が50.6%で最多だった。「AIの進化に購入PCのスペックが追いつかない」が47.0%、「AI対応を意識した調達をしたいが、何が正解かわからないまま決断しなければならない」が35.4%で続いた。「導入後の保守・管理・セキュリティ対応の負担が増えそう」は27.7%、「AIの進化や社内の活用状況の変化が大きく、柔軟なスペックや台数の変更が難しそう」は25.0%、「社内のAI活用方針が変わるたびに、PC環境の見直しが発生しそう」は13.0%だった。「特に不安はない」は12.1%にとどまった。
今後3年以内のスペックアップや入れ替えについては、「必要になると思う」が41.8%、「おそらく必要になると思う」が38.9%で、合計80.7%が必要性を認識した。「おそらく不要だと思う」は7.5%、「不要だと思う」は5.3%、「わからない」は6.4%だった。2024年6月から現在までの業務用PC調達コストは、「大きく上がった(10%以上)」が30.5%、「少し上がった」が44.2%で、合計74.7%が上昇と回答した。「変わらない」は18.0%、「まだ更新タイミングが来ていない」は4.8%、「わからない」と「下がった」は各1.3%だった。
生成AIの業務利用に関して実施しているセキュリティ対策は、「生成AIツールの利用ルール・ガイドラインの整備」が55.0%で最多だった。「利用できるツールの承認・制限(シャドーIT対策)」は50.3%、「入力データの匿名化・マスキングのルール化」は36.3%、「社外にデータを出さないオンプレミス・閉域環境の整備」は33.8%となった。「従業員へのAIリテラシー・セキュリティ研修の実施」は23.7%、「社内に固定設置したAI専用PCを用意している(ローカル処理専用)」は21.1%だ。「特に何もしていない」企業は15.6%であった。
今後のPC調達で重んじる項目において、「セキュリティ対応」が54.3%で首位だった。次いで「必要な時に必要なスペックへ変えられる柔軟性」が46.6%、「スペックの高さ」が44.6%、「初期費用の低さ(イニシャルコストを抑えたい)」が37.8%、「月額コストの平準化(ランニングコスト管理)」が32.5%、「保守・運用サポートの充実」が24.6%、「調達スピード」が10.6%となった。
同社代表取締役の星山常進氏は、生成AIの業務利用拡大によりPC調達担当者が「何をどれだけ導入すべきか」の判断に直面すると説明した。変化の速いAI時代には、スペックを上げても使いこなせないリスクと、据え置けば陳腐化するリスクが同時に生じるため、スペックや台数を状況に応じて見直せる仕組みが必要とした。
なお、調査は業務用PCの管理・調達担当者545人を対象に、インターネットリサーチで実施された。調査期間は2026年6月11〜12日。
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