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「崖っぷちERP導入」苦節8年2度の失敗から3度目はなぜ成功したか事例で学ぶ!業務改善のヒント(3/3 ページ)

» 2018年06月20日 10時00分 公開
[唐沢正和ヒューマン・データ・ラボラトリ]
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うまみは、データ流用、連携のしやすさにもある

 なお、クララオンラインでは、導入前に運用していた業務を効率化したことに加え、データ一元化の効果も得ている。ERP導入半年後には、Azureのデータベースサービス(Azure SQL Database)に蓄積されたデータを基に、マイクロソフトのBIツールである「Power BI」を活用、データ分析にも着手しており、新たな業務の創出や業務のレベルアップも実現している

 「従来は、当月の売り上げと在庫のデータを合わせて分析するだけで1週間以上はかかっていた。現在は、Power BIからAzureのデータを直接参照し、顧客別や品目(サービス)別といった売り上げ状況をリアルタイムで分析できる環境になっている」(クララオンラインゼネラルマネージャー 洪 種敏氏)

 IT資産管理においても減価償却の状況についても資産を利用している案件ごとの状況を可視化できるようになり、効率のよい運営が可能になったという。

 「当初は、Power BIでどこまで見える化できるかわからなかったが、期待以上の結果が得られたと感じている」(洪氏)

 今後の展望について洪氏は、「『Microsoft Dynamics CRM』や『Microsoft Dynamics Marketing』といった周辺業務のシステムとの連携を拡大し、より詳細な分析を行いたいと考えている。蓄積したデータについてはBIだけでなく、AIや機械学習を活用した次世代の業務基盤へのレベルアップを目指していく。単にシステムを管理するだけではなく、新たな付加価値を社内のスタッフに提供する“攻めの情報システム部門”として、ダイナミックな変化を楽しんでもらえるように取り組んでいきたい」と意欲を語った。

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