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Teamsを使い倒せ これでZoomを追い抜くか? 知っておきたい6つの追加機能

コロナ禍でWeb会議の実施数は大幅な伸びを見せ、コラボレーションツールの利用も進んだ。Microsoft 365に含まれる「Microsoft Teams」もそのうちの一つだ。2020年にMicosoftはTeamsの機能強化を発表した。そのアップデート内容を一つ一つ見ていく。

» 2021年01月06日 07時00分 公開
[太田浩史内田洋行]

 Microsoftのオフィススイート「Microsoft 365」は、「Microsoft Word」や「Microsoft Excel」といったオフィスツールをはじめ、「Microsoft Teams」(以下、Teams)などに代表されるスイートサービス、「Power Platform」などのローコード開発ツール、「MyAnalytics」などの活動分析ツールなどから成る。

 多様な製品群から構成されるツールだけに「聞いたことはあるが、業務で使ったことはない」というツールやサービスもあるだろう。また、次々と追加される新機能を追いきれず、追加されたことに気が付いていない機能もあるかもしれない。せっかく予算を投じて契約しているのであれば、ライセンス料金に見合った活用をしたいところだ。本連載は「Microsoft 365を使い倒せ!」と題し、全5回を通して費用に見合った効果に結び付けるための活用法やツールの機能の詳細などを解説する。

著者プロフィール:太田浩史(内田洋行 ネットワークビジネス推進部)

2010年に内田洋行でOffice 365(Office 365の前進であるBPOS)の導入に携わり、以後は自社、他社問わず、Office 365の導入から活用を支援し、Office 365の魅力に憑りつかれる。自称Office 365ギーク。多くの経験で得られたナレッジを各種イベントでの登壇や書籍、ブログ、SNSなどを通じて広く共有し、2013年にはMicrosoftから「Microsoft MVP Award」を受賞。


 2020年は私たちの働き方を大きく変えざるを得ない年となった。オフィスで仕事をし、会議室に集まって会議をするというこれまで当り前だった働き方が変わろうとしている。首都圏を中心に、在宅勤務やテレワークに取り組む企業が増え、クラウドサービスなどを利用したファイル共有やチャットでのコミュニケーション、社内だけではなく顧客や外部パートナー企業などともWeb会議による打ち合わせが当り前になった。

 世界中でTeamsの需要が増加し、Microsoftの発表によれば、2020年10月には1日当たりのアクティブユーザー数が1億1500万人を突破したという。Microsoftがユーザー数を伸ばす傍らで、チャットツールの「Slack」、Web会議ツールの「Zoom」といった強力なライバルも存在する。

 こうした中でTeamsの強みを伸ばすためにも、Microsoftは新機能を追加し続けている。第1回は、2020年に追加された新機能を振り返りながら、今後のTeamsの進化の方向性を考えてみたい。

成長と進化を続けるMicrosoft Teams

COVID-19対策により増加するWeb会議

 テレワークシフトによってWeb会議の実施数は増加傾向にある。筆者が所属する内田洋行においても、東京都が活動自粛を要請した2020年3月25日の翌週からWeb会議の数は倍増した。緊急事態宣言の発令後は出社率が1割程度にまで下がった影響もあってか、さらに10倍に増加した。その後、感染者数の推移に応じて出社率はわずかに戻ってはいるものの、Web会議を利用した会議スタイルは完全に定着しているように見える。

内田洋行におけるCOVID-19の影響による会議形態の量的変化

 Web会議の増加により出番が増えたTeamsだが、強みとしている点は、Web会議そのものだけではなく、会議前や会議後の情報共有やコミュニケーションなど、会議のライフサイクルに必要な機能を包括的に有している点ではないかと筆者は考える。

Microsoft Teams を利用した会議のライフサイクル

 会議前にはチャットを利用して事前調整したり、それまでの経緯を把握したりできる。会議に必要な資料も事前に共有でき、Officeと連携した共同作業機能を使えば共有されたファイルを他のメンバーと共同編集することもできる。会議中には議事メモを作成し、必要に応じて動画をアーカイブとして残し、参加できなかったメンバーと共有することも可能だ。必要があれば会議後にもチャットを利用して他の出席者と議論をさらに深めることもできる。

2020年に追加された6つの新機能と今後のロードマップまとめ

 Teamsはリリース当初よりWeb会議機能を備えていたが、Zoomという強力なライバルに機能や使い勝手で劣る部分があったことは否定できない。しかしその差を埋め、強みを伸ばすために、2020年に数多くの新機能が追加された。それらの機能を一つ一つ見ていこう。

1.背景効果やカメラ同時表示数の増加

 ZoomとTeamsの最大の違いは、Zoomでは背景効果(バーチャル背景)が利用でき、同時に表示できる映像も多い。在宅勤務により自宅からWeb会議に参加する機会が増え、カメラ越しに自宅の様子が見えてしまうなどプライバシーを気にするユーザーもいたことだろう。また学校や教育、研修などにおいては、数十人の生徒や受講者の様子を一度に見ながら進めたいといった要望もあっただろう。

Web会議の背景効果は今やユーザーにとって必須の機能だ

 Teamsは背景効果の機能を2020年4月に追加し、2020年6月には49人のカメラ映像を同時に表示できる機能を追加した。機能的にZoomが先行していた部分を補強した形だ。

2.マイクが拾うノイズの抑制

 Web会議中に部屋のドアを開き閉めする音や手元で資料をめくる音などをマイクが拾い、会議のノイズになってしまうことはないだろうか。そうした会議中のノイズをAI(人工知能)で抑制する機能が追加された。抑制効果が最も大きい「高」に設定した場合、ノイズは耳をすませて聴いていても気にならないほどに抑制できる。

ノイズ抑制の設定。「高」に設定すると効果を明確に体感できる

3.ブレークアウトルーム

 2020年12月に入り、「ブレークアウトルーム」の機能が追加された。ブレークアウトルームとは複数人が参加する会議で、グループごとにルームを作れ、グループミーティングを可能とする機能だ。研修などで、講師の指示によってチームに分かれてディスカッションを行うといったグループワークの経験があるだろう。ブレークアウトルームの機能を利用することで、Web会議でもこれと同様のことができる。

1つの会議を複数の小会議(ブレークアウトルーム)に分けることができる

 ブレークアウトルームはZoomでは以前から提供されており人気の高い機能であったが、それがTeamsにも追加された格好だ。

 今後のロードマップとして、会議で記録されたメモや動画、ファイルや出席者の情報などを一つの画面に自動的に集約し、会議後に共有できる機能を実装予定だという。会議のような他の出席者と時間を共にする同期型コミュニケーションと、チャットのような非同期型コミュニケーションをシームレスに連携できることが、Teamsの強みのひとつであると筆者は考えている。

会議機能以外の3つのアップデート

 ここまでは主に会議に関連する追加機能について説明したが、Microsoftは会議以外にもさらに多くのことをTeamsで実現できるようにしようと考えている。そこで重要となるのがタブやアプリといった仕組みだ。タブやアプリを通じてTeamsからさまざまな機能やサービスを利用できるようになり、Teamsの活用の幅はさらに広がるだろう。

(左)Yammerアプリ、(右)タスク管理アプリ

4.TeamsからYammerを利用可能にするコミュニティアプリ

 まずは、2020年4月に提供が開始された「Microsoft Yammer」を利用可能にする「コミュニティ」アプリだ。Teamsの陰に隠れてしまっているように見えるYammerも、着々と機能が強化されており、従業員同士のコミュニケーションやQ&Aフォーラムとしても使える。こうしたYammerの機能をTeamsの画面を離れることなく利用できるようになった。

5.Microsoft To Doと連携したタスク管理アプリ

 Microsoft 365における個人タスクの管理にはOutlookなどを利用する方法があったが、「Microsoft To Do」と連携したタスク管理アプリが追加され、Teamsの画面で個人のタスクを管理できるようになった。もちろん、各チームに組み込んで利用する「Microsoft Planner」で割り当てられたタスクも同時に一覧で見られるようになっている。

6.Power Platformの統合

 そして2020年11月には、Power PlatformがTeams上でも利用可能になり、一般提供が開始された。Power Platformは「Microsoft Power Apps」や 「Microsoft Power Automate」「Microsoft Power Virtual Agents」「Microsoft Power BI」などで構成され、業務アプリや自動処理、BIレポートをローコーディングで作成できるサービスだ。これまでもMicrosoft 365のライセンスで一部機能が提供されていたが、Teamsから利用する場合に限り、追加コスト不要でより多くの機能を利用できるようになった。

(左)Microsoft Teams上でPower Appsのアプリを作成できる、(右)Power Virtual Agentsを利用したチャットbotの作成画面

 詳細については本連載で紹介するが、業務に合わせ、Teams上でPower Platformを用いたさまざまなアプリを作成し利用できるようになれば、Teamsの画面を離れることなくより多くの業務をこなせるようになるだろう。

 今後、提供を予定されているのが「Microsoft SharePoint Online」のTeams向けアプリだ。これはSharePoint Onlineで作成されたサイトを、Teamsの画面からも利用できるようにするものだ。

SharePointアプリ(リリース前の機能のためイメージ)

 在宅勤務が進めば、オンラインでのファイル共有や、チャットやWeb会議の時間が増えるだろう。現在は、SharePoint Onlineの掲示情報や共有されたファイルを確認、検索するためには、一度Teamsから離れてブラウザを起動し、SharePoint Onlineのポータルサイトを確認しなければならなかったが、このアプリが登場すればそうした手間も不要となる。

 ここで紹介できなかった新機能がまだまだ多くある。TeamsはベースとなるチャットやWeb会議の機能強化はもちろんのこと、Microsoft 365の他サービスや他社パートナーのサービスと連携することで、Teamsを離れることなく多くの業務ができるよう進化している。MicrosoftはTeamsを単なるチャットやWeb会議のアプリケーションとしてではなく、業務に欠かせないプラットフォームに進化させようとしているように筆者の目には映る。これからの機能追加や機能強化、改善に今後も期待したい。

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