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» 2022年03月14日 07時00分 公開

法務担当者が知るべき改正電子帳簿保存法の対応ポイント 企業内弁護士が解説

2022年1月1日から施行された改正電子帳簿保存法では対応要件が大きく緩和された。企業の対応すべき契約書管理のポイントを、リーガルテック企業のインハウスローヤー(企業内弁護士)が解説した。

[土肥正弘,キーマンズネット]
LegalForce 吹野加奈氏

 2022年1月1日から施行された改正電子帳簿保存法では対応要件が大きく緩和され、企業のペーパーレス化がさらに広がると期待される。契約書管理に関する対応のポイントを、LegalForceの企業内弁護士が解説した。

改めて、「電子帳簿保存法」って何?

 日本の法制では、企業活動に関する各種書類の長期保管(1〜30年、あるいは永久保管)が義務付けられているが、特に法務部門や総務・経理部門の負担になりがちなのが法人税法で求めらる7年の帳簿書類の保存だ。

 帳簿書類には注文書や契約書、領収書、見積書などが含まれる。国税の監査対応のために必要な他、特に契約書には訴訟対応のため提出が求められる可能性があり、書類をどのようにいつまで保管するかは法務部門の悩みどころだ。

 1998年に施行された電子帳簿保存法(以下、電帳法)は、電子取引や経理のデジタル化が進む中で、法人税法のうち、従来は紙で保存が求められた書類をデジタルデータで保存してもよいとする法律だ。主な目的は2つあり、1つ目は保存義務のある帳簿書類の電子化を認めることで、2つ目はそれまで保存義務のなかった電子取引データに保存義務を課すことだ。

 目的達成のため、大別すると図1に示す「電子帳簿等保存」「スキャナー保存」「電子取引データ保存」の3つの制度が設けられた。

図1 電帳法の3つの制度(出典:吹野氏の講演資料)

コラム<電帳法が求めるポイント4選>

 各制度の要件は細かく定められ、ポイントは4つある。

  • 真実性の確保:データは紙よりも容易に改ざん可能なため、改ざん・削除不可能なシステムを利用するか、改ざん・削除された場合にその箇所を履歴として残すシステム(バージョン管理など)を利用する
  • 見読可能性の確保:税務調査で担当者が紙の書類と同様に読める状態にしておく
  • 関係書類の備え付け:税務調査のときに担当者がシステムを利用できるようにマニュアルなどを備える
  • 検索機能の確保:税務調査のときに契約締結日や契約金額などをすぐに検索できるようにする

改正電帳法で変わった3つの要件とは?

 電帳法制度はデータ保存の要件が多く対応が難しいため、対応が進まない現状があった。状況打破のため大きな要件緩和をしたのが今回の改正電帳法のポイントだ。

 ただし、要件緩和と同時に不正のペナルティーは厳しくなっている。改正後の各制度でポイントとなる要件を解説していく。

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