Google CloudとSAPは両社の関係を拡大し、Google WorkspaceとSAP S/4HANA Cloudを新たに統合する。SAPソフトウェアとGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートとの間で、データをエクスポートやインポートを可能にする。
SAP Japanは2022年5月19日、Google CloudとSAP SEが両社の関係を拡大し、「Google Workspace」と「SAP S/4HANA Cloud」を新たに統合すると発表した。SAPソフトウェアのデータを、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートのコラボレーション機能を使って編集可能になる。
SAPでは、SAP S/4HANA Cloudと「Googleドキュメント」や「Googleスプレッドシート」との統合によって、組織内の共同作業を可能にする新たなビジネス機能やユースケースを提供するとしている。
まずは、財務や経理などに向けた機能を、2022年中にSAP S/4HANA Cloudの標準機能として組み込む予定だ。データのエクスポートとドキュメントの共同管理によって、よりシームレスなユーザーエクスペリエンスを生み出すとしている。
具体的には、SAPソフトウェアとGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートとの間で、データをエクスポートやインポートを可能にする。さらにクリーンなデータソースの信頼性を確保できるようにする。これによって、SAP S/4HANA Cloudで管理しているデータを、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートでリアルタイム編集できる。
財務担当者がSAP S/4HANA Cloudで、安全で信頼性が高くコンプライアンスに基づいた方法で財務記録を管理する場合、GoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートを使ってデータを共同編集できるようになる。
SAPのインテリジェントエンタープライズとクロスアーキテクチャ担当SVP兼責任者を務めるPhilipp Herzig氏は、「GoogleドキュメントおよびGoogleスプレッドシートとネイティブ統合してほしいという要望は、両社共通の顧客から数多く寄せられていた。今回の統合によって、ビジネスドキュメント上で共同で作業する人々のために準備を整え、重要なビジネスプロセスとデータを、SAPを通じて厳重に管理できる。対応は全てクラウドで実行される」と述べている。
一方、Google Workspaceのバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーを務めるJavier Soltero氏は、「ハイブリッドワークへの移行は、サイロやコラボレーションに対する障壁を生み出しかねない。これは、従来のツールにはこれ以上依存できないことを表している。SAPとのパートナーシップ拡大を受け、密接な統合を新たに加えることで、SAPでデータを管理する際に、Google Workspaceのリアルタイムコラボレーション機能を活用できる。複数のチームがSAPのデータに同時にアクセスして、より効率的にプロジェクトを推進可能だ」と述べている。
SAPでは今後、今回の財務・経理に向けた機能に加えて、新たなシナリオも追加する予定だ。
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