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東洋紡5000人の人材情報を一元化 次世代経営人材の育成に向けシステムを刷新

1882年に創業され140年の歴史を持つ東洋紡は、全社視点での最適な人材育成を高度化するため、5000人の人材情報を一元化する。人事給与や人事評価、勤怠管理、資格情報管理など、業務領域ごとに別システムで管理していた情報をどのように集約したのか。

» 2022年07月06日 07時00分 公開
[大島広嵩キーマンズネット]

 東洋紡は1882年に創業され140年の歴史を持つ。現在はフィルム・機能性樹脂、自動車用資材、生活・環境関連素材、バイオ・医薬などを提供する。同社は、次世代経営人材の育成や組織人事戦略の実現において、全社視点で最適な人材育成を高度化するという課題を抱えていた。

 将来の人材輩出に向け、タレントマネジメントの観点で人事異動をより有効に機能させるべく、どこに・どのような人材が・どの程度必要かという「ポジションの見極め」と、誰にどのような経験を積ませるべきかという「育成すべき人材の見極め」および、この二つを実現するためのプロセス設計に着手した。

人材情報の一元管理でなにがどう変わる

 同社は、人材情報の一元管理と可視化を実現するタレントマネジメントシステム「COMPANY」シリーズの、「COMPANY 人事・給与」「COMPANY Web Service」「COMPANY 就労・プロジェクト管理」「COMPANY Talent Management」「CWSスマートデバイスオプション」「就労モバイル勤怠」の6製品を採用した。

 従来は、人事給与や人事評価、勤怠管理、資格情報管理といった業務領域ごとに別システムを利用していたため、人材情報が集約されず活用が困難だった。COMPANYはこれらの領域をフルスイートで提供するため一元管理が可能になる。あらゆる人材情報を集約することで、タレントマネジメントの基礎となる人材情報を可視化する。

 業務効率化の観点から、適性検査や寮社宅、健康診断結果などシステム以外で管理している情報を、COMPANYに集約してシステム化する。導入にあたっては約1200法人グループの導入実績を基にした業務ノウハウを基に、現在の業務プロセスの見直しが可能な点を評価した。

 COMPANYはプログラミングの知識がなくてもノーコードで設定変更が可能なため、法改正や業務プロセスの変更に伴う改修を、人事部門の担当者自らが実施できる。システム部門は、人事関連システムを統一することでデータ連携システムのメンテナンスが不要になる。

 従来システムでは改修の都度見積もり取得や予算申請をする必要があった。COMPANYは全ての機能を標準機能で提供し、法改正対応にも無償で対応する「ノーカスタマイズ・無償バージョンアップ」がコンセプトの製品だ。企業ごとのカスタマイズがないため、バージョンアップや要件変更時の追加コスト、影響範囲の調査が不要となる。

COMPANYのシステム開発イメージ(出典:Works Human Intelligenceのリリース)

導入後に期待する効果

 東洋紡は、COMPANYに集約した人材情報を可視化し、タレントマネジメントに活用することで、中長期的な人材育成を考慮した全社最適の異動・配置の実現を目指す。

 人事部門は、COMPANY導入による人事管理や給与計算、勤怠管理の業務効率化によって、人材育成施策の企画立案といった、より戦略的な人事業務の時間を生み出す。また、人事系の申請・照会機能の充実や、勤怠管理の利便性向上により、人事部門だけでなく従業員の手間も削減し、本業に注力できる環境の整備も見込んでいる。

 東洋紡の人事・労務総括部は「私たちは素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを創造し続けます。そのためにも人事制度を『一人一人が成長を感じ、誇りとやりがいを持って働くことができる制度』に改定しました。新人事制度のねらいを実現するため、COMPANYが大きく寄与することを期待しています」と述べる。

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