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» 2022年08月03日 07時00分 公開

クレディセゾン役員と老舗企業社長が対談 独裁政権から“立憲制”に変えたSlack活用法とは

クレディセゾン専務と「おにぎりせんべい」で知られるお菓子メーカーのマスヤグループ本社社長が、組織変革とコミュニケーションをテーマに、それぞれの改革論を語り合った。

[土肥正弘,ドキュメント工房]

 ビジネスチャットはコミュニケーションの活性化にとどまらず、時に企業文化の変革にも寄与する。クレディセゾンの小野和俊氏(専務執行役員)と、マスヤグループ本社の浜田吉司(代表取締役社長)が、コミュニケーションを通じた企業文化変革への取り組みとその生々しい過程を語った。

本稿はオンラインセミナー「Slack Frontiers Japan」(主催:Slack、Salesforce)におけるパネルディスカッション「カルチャー変革を実現する組織と仕組みの作り方」を基に編集部で再構成した。

左から齋藤梨沙氏(セールスフォース・ジャパン)、小野和俊氏(クレディセゾン)、浜田吉司氏(マスヤグループ本社)

“王様の支配”に恐れる従業員 絶対王政時代のような企業文化

 マスヤグループ本社は、伊勢市の「おにぎりせんべい」などで知られる食品メーカーだ。現在、グループ10社と従業員500人を擁する。浜田氏は同社の創設当時の企業文化について次のように振り返る。

 「私は先代のオーナーから経営を引き継ぎましたが、当社はオーナー経営で、当時はトップダウンによる管理統制型の文化でした。社長は王様のように全てに采配をふるい、従業員は“王様”を怖がっているようにも見えました。事業が拡大するにつれてそうした昭和文化に限界を感じ、理念に基づく経営に転換しようと考えたのです。経営理念を確立したのが2008年のことでした。まるで、『王政』から『立憲制』に切り替わったかのような変化が社内に生まれました。そして現在は、立憲制から自律分散型の文化に変わろうとしています」

 クレディセゾンの専務CTO兼CIOを務める小野和俊氏は、アプレッソでシステム統合ツール「DataSpider Servista」の企画・開発に携わり、その後セゾン情報システムズの常務CTOを経て、2019年から現職。クレディセゾンはクレジットカードやローン事業を主とした従業員約4300人の金融会社だ。現在、「Slack」の導入によって企業カルチャーの変革を進めているところだ。小野氏は変革前の状況についてこう語った。

 「ベンチャー企業として経営していた時からSlackを利用していました。前職のセゾン情報システムズでは『HULFT』などのパッケージ開発事業やファイナンス関連事業、流通関連事業、データセンター事業など複数の事業が併走し、システムは動いて当たり前、問題が起こると責任を問われる文化でした。つまり、事故が起こらないように“守り”を重視する文化があり、結果的にそれがセクショナリズムを生んでいました」

 「隣の部署は別の会社」と平然と言う従業員もいて、部署の定例会では他部署の批判で盛り上がることもあったという。同社の社長もそれを問題視して改善しようとはしていた。

部門間コミュニケーションを活発化させたのは「1杯のコーヒー」

 クレディセゾンはこうした文化を改革するために、2つの取り組みを実施した。一つは改革を拒絶する従業員と対話を重ねることで理解を深めること。もう一つは経営理念を確立後に人材を増やしたことだ。理念経営を当然のこととする人が増えると、組織全体も変化する。この2つの変化がカルチャー変化の中身だ。

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