ノークリサーチの調査で、中堅・中小企業が導入を予定しているIT製品分野が判明した。これまでの導入割合は低いが、今後伸びる分野は何か?
ノークリサーチは2024年11月13日、中堅・中小企業向けITソリューションのうち「今後伸びるDX分野」についての分析結果を発表した。この分析は国内の中堅・中小企業1300社を対象に2024年7〜8月に実施したIT支出と業務システム購入先に関する調査を基にしている。
中堅・中小企業が2023年、2024年に導入したIT製品と、今後導入予定のあるIT製品を示したのが図1だ。
「クラウド活用、レガシー移行」は、2023年と2024年の「導入済み」と、「今後の導入予定」の割合がいずれも1割強となった。ノークリサーチは「一定数のユーザー企業が取り組みを進めていることが分かった」としている。
一方、「生成AI」「センサー+AIによるデータ分析」「xTech」といった比較的新しい分野は、2023年、2024年における「導入済み」の割合は1割未満にとどまる一方で、「導入予定」は1割強となった。「全体に占める割合は依然として小さいが、今後はこうした新しい分野も伸長するだろう」とノークリサーチは分析する。
業種によっては、ハードウェアの導入も伸びるとノークリサーチは見ている。
「サーバ、ストレージ機器」「PC、スマートフォン、タブレット」「ネットワーク機器」「複合機」の4項目における導入予定を、全体と流通業(運輸業)で比較したのが図2だ。流通業(運輸業)は全体と比べてハードウェアの導入意向が高く、特にネットワーク機器が全体と比べて10ポイント以上高いことが分かる。
今回の調査レポートでは、「IT企業(販社、SIer)における成功体験スコアとDX比率の関係」についても言及されている。
「成功体験スコア」についてノークリサーチは、「ユーザー企業がIT企業から導入したITソリューションによって得られた成果(成功体験)を評価したもの」と定義している。
成功体験スコアと、商材ポートフォリオに占めるDX関連ソリューションの割合の関係を示したのが図3だ。「DX関連ソリューションの比率が高い販社やSIerは、ビジネス創出、他社協業、商圏拡大などの成功体験において高い評価を得やすい傾向にあるのかどうかを確認するデータになる」と、ノークリサーチは説明する。
ビジネス創出や他社協業、商圏拡大などの成功体験において高い評価を得たIT企業は、「商材ポートフォリオに占めるDXソリューションの比率が高い傾向にある」とノークリサーチは分析している。
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