「Surface Pro」のAI性能は公表値の1.3%未満? 暴かれた本当の実力:805th Lap
ある企業のCEOが「Microsoft Copilot+ PC」として販売されている「Surface Pro」の性能をテストしたところ、公表されている処理性能の1.3%にも達しなかったという。
2024年6月、Microsoftは「Copilot+ PC」を発表し、各PCベンダーはさまざまなCopilot+ PC対応モデルを販売している。「Windows 11」PCにNPU(Neural network Processing Unit)を搭載することでAI機能をローカルで実行できる、AI PCの新ブランドだ。
ある企業のCEOがCopilot+ PCとして発売されている「Microsoft Surface Pro」の性能を測定したところ、「パフォーマンスは公表値の1.3%未満だった」と失望の声をブログにつづった。なぜ、性能が1.3%未満だと言えるのか。現在、購入を検討している人にとって参考になる情報かもしれない。
Copilot+ PCのパフォーマンス問題を指摘したのは、翻訳アプリ「Torre」を開発するUseful SensorsのCEO・ピート・ワーデン氏だ。同氏はかつてGoogleでAI技術の開発に携わっていた。2022年にGoogleを退職し、その後Useful Sensorsを創業した。
ワーデン氏は「AI PCs aren't very good at AI」(AI PCはAI処理に向いていない)というタイトルで、自身のブログにCopilot+ PCに関する記事を投稿した。その投稿の中で、彼は「Copilot+ PCとして販売されているMicrosoft Surface Proが期待に添う製品ではなかった」と記した。
Microsoftは「Copilot+ PCは1秒当たり40兆TOPSを実行可能なNPUを搭載した『Windows 11デバイス』」と定義している。40TOPSとは、1秒間当たり40兆回の整数演算が可能なことを指す。最新のMicrosoft Surface Proは、SoC(System on a Chip)としてQualcommの「Snapdragon X Plus/Elite」を搭載している。Snapdragon XシリーズのSoCはNPUに「Qualcomm Hexagon NPU」を内蔵している。その性能は45TOPSとされ、Copilot+ PCに必要な要件を軽く超えている。
ワーデン氏は「私はQualcommのNPUに信頼を寄せるファンだ」とブログに記し、Microsoft Surface Proに大きな期待を寄せていた。そして、自社アプリTorreの開発のために、Microsoft Surface Proを大量に購入した。TorreはAIパワーを必要とするため、アプリを動作させるに十分なNPU機能を有したMicrosoft Surface Proが最適だと考えたからだ。
しかしワーデン氏がMicrosoft Surface ProでTorreを動かしてみると、想定のパフォーマンスが得られなかった。そこで、Microsoft Surface Proに搭載された「Snapdragon X Elite」のNPUの演算回数を測定したところ、0.573TOPS(1秒当たり5730億回の演算)という結果になった。45TOPSには程遠く、発揮されたパフォーマンスは1.3%未満だったという。ワーデン氏は、自身が所有するゲーミングノートPCのGPU「Nvidia RTX 4080」で実行したところ演算回数は2.16TOPSであり、その性能差は歴然としている。
ワーデン氏は「AIの処理ではアクセラレーションハードウェアを十分に活用できないことはよくあることで、理論上の最大スループットの10%に達すれば良好な結果と見なされることもある。だが、1.3%未満という結果には失望した」という感想をブログに記した。その上で「問題を特定するのは難しいが、同様のチップではるかに優れたパフォーマンスを経験しているため、ソフトウェアスタックのどこかに問題があるのだろう」とし、ソフトウェアによっていずれこの問題が解決されることを望んでいるようだ。
ワーデン氏の検証によって、Copilot+ PCとSnapdragon Xシリーズの残念な結果が明らかになった。Copilot+ PCの普及のためにも、早急に対処が施されることを期待したい。
上司X: Copilot+ PCのAI性能が期待したほどではなかった、という話だよ。
ブラックピット: 「期待したほどではなかった」とは言いますけどね、1.3%未満ってヒドくないですか?
上司X: まあちょっと、というか、だいぶヒドいかもな(苦笑)。
ブラックピット: 笑いごとではないでしょう。
上司X: そんなに怒るほどでもない気がするよ。キミはCopilot+ PCとして売られているSurface Proを買ったんだっけ?
ブラックピット: ……いえ。買ってませんが。そもそもCopilot+ PCに憧れはありますが、その価格の高さから手を出せる気もしません。
上司X: そうだよなあ。ローカルでAIを処理できるのは面白そうだけど。そこまでAIパワーが必要な業務って限られそうだしね。
ブラックピット: とはいえですね、スペックよりも全然遅いっていうのはいただけないですよ。Copilot+ PCには門外漢かもしれませんが、ちょっとぐらい憤慨してもいいじゃないですか。早急に改善してほしいですね!
上司X: ワーデン氏も言ってるけど、今回の件はどうもソフト側の問題のようだから、いずれ解決するだろう。Copilot+ PCはPCのジャンルとしては新参だし、これからの発展と低価格化に期待しつつ見守ろうじゃないか。特に低価格化、重要な(笑)。
ブラックピット(本名非公開)
年齢:36歳(独身)
所属:某企業SE(入社6年目)
昔レーサーに憧れ、夢見ていたが断念した経歴を持つ(中学生の時にゲームセンターのレーシングゲームで全国1位を取り、なんとなく自分ならイケる気がしてしまった)。愛車は黒のスカイライン。憧れはGTR。車とF1観戦が趣味。笑いはもっぱらシュールなネタが好き。
上司X(本名なぜか非公開)
年齢:46歳
所属:某企業システム部長(かなりのITベテラン)
中学生のときに秋葉原のBit-INN(ビットイン)で見たTK-80に魅せられITの世界に入る。以来ITひと筋。もともと車が趣味だったが、ブラックピットの影響で、つい最近F1にはまる。愛車はGTR(でも中古らしい)。人懐っこく、面倒見が良い性格。
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