レゾナック「月4.7億円相当」の業務削減 現場発AIをどう全社に広げたのか
生成AIを導入しても、個人や一部門での利用にとどまれば、大きな業務削減にはつながりにくい。月約9万時間、金額換算で約4.7億円相当の削減効果を算出したレゾナックは、現場発のAIをどう全社の仕組みに変えたのか。
2025年10月の生成AIの導入から約半年で、月約9万時間、金額換算で約4.7億円相当の業務削減――。レゾナック・ホールディングス(以下、レゾナック)は生成AI活用による効果をこう算出した。同社の生成AIの活用率は95%に達し、製造や研究開発、間接部門などにも利用が広がっているという。
月約9万時間という削減効果は、対象者2405人へのアンケート結果と業務実績を基にしたものではあるが、全社的に活用の効果が広がっていることはうかがえる。この成果はどの業務の見直しによって生まれたのか。
“危険予知活動”を「60分の1」に、何を変えたのか
成果が出ている生成AI活用例の一つが、製造現場などで実施する「危険予知活動」(事故につながる危険を事前に洗い出し、対策を考える活動)だ。従来は人が担っていた現場の安全面の採点や、改善に向けたフィードバックを生成AIで自動化し、一連の作業プロセスにかかる時間を約60分の1に短縮したという。
同社が見直したのは、個々の作業だけではない。レゾナックは、各事業所や部門の従業員が、自らの業務上の困り事に合わせてAIエージェントを作成する運用を取り入れた。現場で作られたAIエージェントのうち、効果や汎用(はんよう)性が高いものは本社部門が選ぶ。そして選定したAIエージェントは、内容や品質を整え、他の部門でも使える形に標準化した上で全社へ展開するという運用だ。現場の工夫を、個人や一つの部署だけのものにせず、全社で再利用できる仕組みに変えた。
生成AIの全社活用では、利用環境を用意するだけでは不十分なことが多い。現場で有効だった使い方を拾い上げ、他部門でも使える状態に整える役割が必要になる。レゾナックのように開発を現場に委ねながら、本社が標準化と横展開を担うことが、活用を広げる上での勘所と言える。
なお、本稿は2026年7月15日にレゾナック・ホールディングスが発表したリリースを基に再構成したものだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
事例で学ぶ! 業務改善のヒント
関連記事
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「パスキーはワナだ、使うな」にネット騒然 プロが“待った”をかけるワケ:902nd Lap
-
2
「Gemini Notebook」で始める「AI×自動化」実践ガイド
-
3
今、IT資格を取るならどれ? ランキングに見る「急浮上の資格」と「不動の資格」
-
4
なぜ、突如「PHPパニック」は起こったのか? 緊急メンテ続出の理由とその後
-
5
京都府庁、職員7000人の事務効率化で「Copilotだけに頼らない」と決めた理由
-
6
48年も愛された名作CPU「Z80」を、引退に追い込んだ“抗えない事情”
-
7
大田区、年1000時間の問い合わせを「AI電話」で削減できるか? 実証実験で見えた課題
-
8
150超の評価基準、何から手を付ける? 「SCS評価制度」対応で企業がつまずく5つの難所
-
9
伊藤忠インタラクティブが「Claude」活用研修 「AIを使う」から「業務を任せる」へ
-
10
中小企業、Windows更新「利用者任せ」が4割超 SCS評価制度で問われる管理体制
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー