メディア

オンワードHD、「Backlog」導入で約800ユーザーの情報基盤に

オンワードHDは海外工場DXをきっかけにBacklogを採用し、約800人が使う情報基盤へ拡張した。AI活用で検索や議論整理の効率化を目指すという。進捗や決定事項を集約し、監査ログで安全性も確保している。

» 2026年07月23日 07時00分 公開
[後藤大地キーマンズネット]

 オンワードホールディングスは、ヌーラボのプロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」を導入した。グループ会社や社外パートナーをまたぐ進行管理とコミュニケーションの情報基盤として、約800ユーザーに利用されている。海外工場のデジタル化を契機に採用され、その後、利用範囲がグループ横断へ広がったという。

海外工場きっかけに導入 情報を一元化して紙とメールから脱却

 オンワードホールディングスは、オンワード樫山やオンワードパーソナルスタイルなど複数の事業会社を傘下に持つ。Backlog導入の起点は、オンワードパーソナルスタイルが展開するオーダースーツブランド「KASHIYAMA」の立ち上げに伴う、中国・大連工場のスマートファクトリー化プロジェクトだった。注文から最短1週間で商品を届ける体制を築くため、紙を中心とした受注管理を改め、多様な注文を正確かつ迅速に生産へつなぐ工場システムの刷新に着手した。

 プロジェクトには、建設会社やITベンダー、コンサルタント、現地スタッフなど、多国籍かつ多職種の関係者が参加した。メールを中心に連絡していたため、情報が各所に分散し、誰が何を確認したのか、どの情報が最新版なのかを把握しにくい点が課題となった。確認先や責任の所在も見えにくく、関係者間で同じ情報を共有する仕組みが必要だった。そこで、進行管理を一元化する手段としてBacklogを採用した。

 運用においては、決定事項や、課題にひもづくやりとり、運用方針をBacklogのドキュメントに集約し、外部関係者も同じ場所で状況を確認できるようにした。担当者の指定やメンションによって役割を明確にし、課題の放置や認識の食い違い、特定の担当者に依存する管理の削減につなげた。決定までの経緯も記録として残るため、後から参加した関係者も過去の判断を確認しやすくなったという。大連工場のプロジェクトで蓄積した知見を基に、この運用はグループ会社や社外パートナーへ拡大し、現在は約800ユーザーが同じ情報を参照する基盤として定着した。

 進捗(しんちょく)管理にはガントチャートを活用する。課題の登録や変更がチャートへ反映され、スケジュールを最新状態で表示できる。担当者やマイルストーンなどの条件で絞り込んだ画面を共有できるため、離れた拠点の関係者も同じ画面を見て進捗を確認できるようになった。従来は現地へ赴く方が早いと判断されがちだった確認作業もオンラインで対応でき、遠隔でのプロジェクト運営を可能にした。

 セキュリティ面では、ヌーラボのセキュリティ・アカウント管理サービス「Nulab Pass」を導入した。会社が管理する端末とアカウントだけにアクセスを限定し、誰が、いつ、どの操作をしたかを監査ログで確認できる環境を整えた。利用者が約800人に達する規模でも、情報漏えい対策とアカウント管理を強化し、社外関係者を含む運用を支えている。

 今後は「Backlog AIアシスタント」を使い、蓄積した課題やドキュメントの検索、議論の経緯の整理を効率化する方針だ。オンワードホールディングスは、新規参加者のオンボーディング負担の軽減にも活用し、記録や確認にとどまらず、状況を踏まえた次の行動の検討まで支援する使い方へ発展させる考えを示した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

会員登録(無料)

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。

アイティメディアからのお知らせ