5分で分かる最新キーワード解説
IEEE 802.15.8を先取り、実証が始まったネットワーク自動構成技術「PAC」とは?(1/4 ページ)
中央制御装置なしで端末同士がネットワークを自動構成する「PAC」が登場した。IEEE 802.15.8規格の標準化を目指した動きに注目する。
今回のテーマは、中央制御装置を必要とせず、端末同士が相互にネットワークを自動構成する「Peer Aware Communications(PAC)」だ。2015年中の成立を目指して現在策定中のIEEE 802.15.8規格の標準化に貢献すべく、情報通信研究機構(NICT)が国内2エリアで実証実験を開始した。
「PAC(Peer Aware Communications)」とは
PACは、端末だけで迅速にネットワークを構成する「端末間通信ネットワーク」の1つの形だ。類似する通信技術に「DTNマルチキャスト配信」や、Wi-Fiアライアンスが策定した「Wi-Fi Direct」、日本が主導権をとろうと積極的に開発を進めている「Wi-SUN」などがある。
2014年5月にNICTが発表したのは、これらとは異なりWi-Fi仕様を利用せず、インターネットも使わず、中央制御装置やアクセスポイントも必要としない「インフラレス」ネットワーク通信「Peer Aware Communications(PAC)」を目指す取り組みだ。
PACは、現在国際規格策定が急がれているIEEE 802.15.8が目標とする「無線を使って地域を面的にカバーする端末間通信ネットワーク」だ。他の端末間通信技術と根本的に違うのは、中央制御局を用意する必要がなく、通信経路(チャンネル)を確保して相手側との接続を確立する必要もないところだ。
1対1、1対多(特定多数)の通信ではなく、基本的には1対不特定多数への送信を行うブロードキャスト通信を行う仕組みが考えられている。ただし、送信時にグループを指定する仕組みを用意する。送信端末で例えば「グループA」に送信すると、その電波は周囲の全ての端末に届くものの、「グループA」に所属する端末以外では情報を取得できない。ブロードキャストとはいえ無差別な放送にならないセキュリティを備えるわけだ。
NICTが実証実験中のシステムは、PAC標準化への日本からの提案の一環であるとともに、実用化に向けた課題発見のための取り組みでもある。実験は2エリアで行われる。東京都港区の台場地域では、自治体と地域内でバスを運行する会社、バス路線内の商業施設などの協力により、図1のようなイメージで実施される。この図は実験概要を示すとともにPACの1つの実現イメージだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
5分でわかる最新キーワード解説
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「パスキーはワナだ、使うな」にネット騒然 プロが“待った”をかけるワケ:902nd Lap
-
2
「Gemini Notebook」で始める「AI×自動化」実践ガイド
-
3
今、IT資格を取るならどれ? ランキングに見る「急浮上の資格」と「不動の資格」
-
4
48年も愛された名作CPU「Z80」を、引退に追い込んだ“抗えない事情”
-
5
止まらない不正アクセス、広がる情報漏えい 大手企業・公的機関を襲った10事案
-
6
大田区、年1000時間の問い合わせを「AI電話」で削減できるか? 実証実験で見えた課題
-
7
「言い訳文化」から脱却のNECが足立区に伝授した生成AI活用術とは データ活用“逆算”の鉄則
-
8
Microsoftの“あのキャラ”がまさかの復活? 公式「X」乗っ取り事件の珍騒動:901st Lap
-
9
相次ぐ不正アクセス、でもセキュリティ訓練は「やりっぱなし」の悲惨な実態【企業調査】
-
10
生成AI導入に失敗する企業「6つの共通点」 情シスヘルプデスクの負担を減らす設計とは
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー