セキュリティ強化塾
ほぼフリーアクセス、WEP利用企業が4割超という現実(2/5 ページ)
無線LANセキュリティの「常識」、本当に大丈夫?
無線LAN利用に関するセキュリティ上の問題は、およそ以下の7つだ。
企業の社屋内での無線LAN利用の懸念ポイント
- 通信を外部から盗聴される可能性
- 社外のアクセスポイントに社内端末が接続してしまう可能性
- 内部の攻撃者が社内PCなどをアクセスポイント化して盗聴する可能性
- 社内のアクセスポイントに外部の端末が接続する可能性(なりすまし)
社屋外から社内システムに接続する場合の懸念ポイント
- 不正行為のために設置された、公衆無線LANを偽装するアクセスポイントに接続する可能性
- 外出先からWi-Fiルーターやスマートフォンのテザリング機能を使って3G/LTE網に接続する場合の、PCとデータ中継端末までの通信が盗聴される可能性
- 外出先の公衆無線LAN APと接続してインターネットにアクセスする場合に盗聴される可能性
このような懸念に対して、「暗号化通信を設定する」「MACアドレスフィルタリングを設定する」「SSIDを非表示(ステルスSSID)に設定する」という3種の設定が推奨されることが多い。しかしこれらは企業利用のセキュリティ対策としてあまりに弱い。
WEPの弱点を克服するのはWPAやWPA2
繰り返しとなるがWEPは時代遅れで危険だ。これで「暗号化通信設定をクリアした」とはいえない。暗号化方式は「WPA」か「WPA2」の利用が不可欠だ。現在では、ほぼ全ての無線LAN機器がWPAとWPA2に対応している。できるだけWPA2を使うことをお勧めしたい。
WPAとWPA2という2つの規格が併用されている歴史的な経緯にも触れておこう。WEPの脆弱性が明らかになった後、業界団体Wi-Fi AllianceはWEPにユーザー認証や暗号鍵を一定時間で自動更新する「TKIP」(Temporal Key Integrity Protocol)暗号化プロトコルを加えた「WPA(Wi-Fi Protected Access)」規格を策定した。暗号鍵の取り扱いが複雑になるため解読されにくくはなったが、当時の通信機器の性能を勘案して暗号技術そのものはWEPと同様にRC4と呼ばれる技術を利用している。
だからWPAも時間さえかければ解読される可能性がある。そこで2004年に、強力な暗号化方式であるAES(Advanced Encryption Standard)を利用する「WPA2」規格が作られた。こちらは「CCMP(Counter Mode with Cipher Block Chaining MAC Protocol)」と呼ばれる暗号化プロトコルを採用している。
しかし、いまだにWEPが企業ネットワークで利用されているケースが少なくない。考えられるのは次の4つのケースだ。
- WEPのみ対応の古いアクセスポイントが生き延びている(中には設置されていることが忘れ去られている場合もある)
- WPA、WPA2が利用できる機器を導入しているが、古くからの運用にならってWEPだけを利用している(最新の機器でもWEPが利用可能なものが多い)
- アクセスポイントの「マルチSSID」機能を利用して、WPA/WPA2での接続とWEPでの接続が両方できる設定で利用している(WEPで接続できる設定を削除せずに運用している)
- 社内システムとは明確に切り離されたネットワークで、社外からのゲストがインターネットにアクセスできるサービスとして意図的にWEPで提供している
4はリスクを織り込んだ上での無線LANの開放なので問題とはならないかもしれないが、それ以外は早急に対応が必要だ。WEPしか使えない無線LAN機器を探し出して廃棄し、WPA、WPA2に対応する機器にリプレースすること、そしてマルチSSIDのアクセスポイントのWEP接続設定を削除することをお勧めする。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
2
かんぽ生命が営業報告を50分→10分に AI時代に見直すべき「データ入力」の仕組み
-
3
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
4
6TBファイルのサーバ移行、M365ユーザーの八雲町がSharePointでなく「あえてBox」の理由
-
5
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
6
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
7
「カスハラ対応」を個人に任せない 取手市がAIで変えた窓口業務
-
8
「Claude」3倍高速化の裏で、Anthropic開発者が「あえてしなかったこと」:899th Lap
-
9
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
10
20年物の基幹システム刷新に、マクロミルがあえて「全てを変えない」と決めた理由
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー