セキュリティ強化塾
ルールとツールで守る、スマートデバイスのセキュリティ(1/5 ページ)
スマホやタブレットを業務で活用したい、でも私的利用が業務に影響しないか。業務利用における不安を減らすポイントを考えよう。
すっかり生活にとけ込んだスマートフォンやタブレット。ビジネスでもその利便性を活用したいという思いは誰しもが抱くことだろう。その半面、企業側としては会社の情報資産の外部流出の原因になりはしないか、またポリシーに反した私的利用が業務や会社の評判に影響することがあるのではないかとの不安が拭えない場合も多いようだ。また従業員側からは、プライバシーが会社に監視されかねないことを危惧する声も聞こえてくる。
今回は、セキュリティの観点からスマートデバイスの業務利用における不安のタネをなくすためのポイントを考えてみよう。
スマートデバイスの特徴とセキュリティ課題
スマートデバイスは、PCと携帯電話に次ぐモバイルコンピューティングのための「第三のツール」として、業務利用を進める動きがここ数年盛んになってきた。BYOD(Bring Your Own Device)と呼ばれる個人所有端末の業務利用が注目される中、その対極であるCOBO(Corporate Owned Business Only)と呼ばれる企業所有の業務用スマートデバイスを業務用のみに使う動きや、COPE(Corporate Owned, Personally Enabled)と呼ばれる企業所有の業務用スマートデバイスを支給して個人利用を許可する動きも出てきている。
その一方、スマートデバイスの業務利用にはリスクも伴う。例えばデバイス自身の特性から、次のようなリスクが指摘される(参考:日本スマートフォンセキュリティ協会「スマートフォン&タブレットの業務利用に関するセキュリティガイドライン」)。
- 盗難、紛失:デバイス内情報の外部流出、各種サービスへのログイン情報の不正利用
- SIMカードの盗難:電話番号や個体識別番号などの悪用
- 水没、落下による故障:データ消失
- のぞき見:情報漏えい
- 誤操作、誤認識:タッチパネルの反応の特性などに起因する操作ミス
- 脆弱(ぜいじゃく)性:OSの実装にばらつきがあり、パッチを適用しにくい
- 信頼できないマーケット:ウイルス感染、アプリのデバイス機能へのアクセスの不用意な承認
- 利用者による改造:iOSの脱獄(Jailbreak)、Android OSのroot化
しかもリスクは機器だけにあるのではない。スマートデバイスはスタンドアロンでは機能を十分に生かせず、業務目的で利用するなら社内システムや外部サービスに接続する必要がある。そこで想定される脅威の例を図1に掲げる。こうした脅威により、情報漏えいなどのリスクを恐れて企業としてスマートデバイスの業務適用を認めることをためらうケースも少なくないようだ。
上図を見ると、多くの脅威は従来のモバイルコンピューティングやインターネット利用全般に共通するものであると分かる。既にモバイルコンピューティングを推進してきた企業システムなら、ネットワークを介した脅威への対策はある程度進んでいるはずだが、問題はそのセキュリティ管理体制にスマートデバイスがすっぽりとはまらないことである。
スマートデバイスのセキュリティを考えるときには、デバイスの特性によるリスク、アプリ利用にかかわるリスク、ネットワークにかかわるリスクの3要素を考えなければいけない。それぞれに、ツールを用いて安全性を高められるが、同時に社内規定を明確にし、利用状況の監視を行う体制づくりも必要になる。そのためには、まずスマートデバイスの特性と、利用にまつわるリスクを知ることが重要だ。以下では、BYODをはじめとするスマートデバイスの業務利用のために必要な知識を解説していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「パスキーはワナだ、使うな」にネット騒然 プロが“待った”をかけるワケ:902nd Lap
-
2
今、IT資格を取るならどれ? ランキングに見る「急浮上の資格」と「不動の資格」
-
3
「Gemini Notebook」で始める「AI×自動化」実践ガイド
-
4
大田区、年1000時間の問い合わせを「AI電話」で削減できるか? 実証実験で見えた課題
-
5
なぜ、突如「PHPパニック」は起こったのか? 緊急メンテ続出の理由とその後
-
6
PHP脆弱性、自社のリスクは? 今すぐできる点検の手順とPHP以外の注意点 無料点検も登場
-
7
磐田市、財務会計業務への生成AI導入実証 年間590時間、約177万円の削減効果を確認
-
8
止まらない不正アクセス、広がる情報漏えい 大手企業・公的機関を襲った10事案
-
9
48年も愛された名作CPU「Z80」を、引退に追い込んだ“抗えない事情”
-
10
「言い訳文化」から脱却のNECが足立区に伝授した生成AI活用術とは データ活用“逆算”の鉄則
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー