5分で分かる最新キーワード解説
バッテリーレスの環境発電IoTデバイス「EnOcean」とは?(2/5 ページ)
メンテナンスレスセンサーネットワークを構築する
EnOceanデバイスには標準仕様対応の各種センサーが搭載できる。例えば温度湿度、照度、土中温度、土中水分、穀温計、赤外線、超音波、ミリ波による人物、動物、物体の有無や状態、煙、二酸化炭素(空気の汚染状態)、水圧、磁気、傾斜などのセンサーだ(一部商品化予定を含む)。さらに何をセンシングするか、どこに設置するかによって、適切な発電方法が選べるのがEnOceanデバイスの特長だ。
ボタンを押す力のような運動エネルギーは、他にも窓やドアの開閉のときの取っ手の回転などからも獲得でき、開閉状態の検知などに利用されている。
その次に普及しているのが太陽光発電方式である。図2はコンパクトな太陽光パネルを搭載したEnOceanデバイスの例だ。太陽光パネルとアンテナがあるのがエッジの送信モジュール、USBを備えたデバイスが受信装置である。送信モジュールにセンサーを接続し、受信装置のUSBコネクタをPCに差し込み、対応ソフトを走らせれば、最小構成のモニタリングシステムが出来上がる。どのようなアプリケーションで利用するかによって通信モジュールも必要な電力量も異なるので、太陽光パネルのサイズはそれに合わせる必要がある。
また熱エネルギーの差も発電に利用できる。欧州では暖房に温水を建物の中をパイプで循環させるラジエータ式ヒーターが使用されるケースが多く、室内空気と循環される温水の温度差で発電し、バルブ開閉と温度調整に利用されているそうだ。また、エレベーターのブレーキシステムに利用され、ブレーキパッドに異常が起こり(ブレーキパッドが発熱し)、発生した熱でセンサーが動作し異常を知らせるシステムにも応用されている。
さらに振動による発電も可能だ。例えば窓にデバイスを設置しておけば、窓から夜間に泥棒が侵入しようと窓を破れば、その振動で発電して警報を鳴らしたり通報したりすることができるわけだ。橋梁や建物の振動検知にも応用可能だろう。
他にも各種家電製品などから発生する微弱な電磁波による発電も実用に近づいており、発電方式のバリエーションはさらに広がることになる。
どのような発電方式をとるにしても、バッテリー交換が不要であることから、エッジデバイスのメンテナンスコストはほぼかからない。1万台を超えるようなセンサーネットワークであってもゲートウェイを適切に配置すれば管理可能になり、情報を集約してインターネットに接続して情報センターやクラウドサービスで活用できることになる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
5分でわかる最新キーワード解説
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Claude Codeに「仕事を丸投げ」して事故らないための基本運用ルール
-
2
48年も愛された名作CPU「Z80」を、引退に追い込んだ“抗えない事情”
-
3
M365 Copilot全庁展開で月2000時間削減 現場がAIを「使いたくなる」習慣化の仕組み
-
4
社員の「セキュリティ訓練」、他社はどの程度やっている? 気になる隣の実施状況
-
5
無料で国産生成AI「Sarashina」が利用可能に APIとチャット機能のベータ版を公開
-
6
企業向けAIは「大規模LLM」一択ではない Zohoが重視するコストとデータ保護
-
7
ダークWebに流出した認証情報を即通知 ジョーシスが「悪用前」の初動対応を支援
-
8
損保ジャパン、2万人の「Gemini活用」どう管理? 推進者が語る「リスク回避」の仕組み
-
9
C言語は「危険」と言われても、専門家が「使う価値は十分にある」と言うワケ:900th Lap
-
10
「AIのファクトチェック」を誰がする? 「AIのウソ」を検証する新サービスとは
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー