電磁誘導型ワイヤレス電力伝送の国際標準規格。標準化を行ったのは業界団体のWPC(Wireless Power Consortium)。電源ケーブルのコネクタ接続の必要をなくし、充電パッド(USBケーブルなどにより給電されている)に受電モジュールが搭載されたスマートフォンなどの対応デバイスを置くと充電できる。一般的に充電時間はケーブル接続の場合よりも長くなりがちだが、充電効率を上げる技術開発は続いている。Qi(チー)という言葉は中国語の「気」から採られたという。
「ワイヤレス電力伝送」との関連は?
Qi準拠のデバイスは、数ミリ程度の近傍エリアの送電装置によってワイヤレス電力伝送や充電ができる。電力伝送は1方向のみ。15ワット以下のデバイス用の規格になっており、iPhoneやGalaxyなどのスマートフォン、フィーチャーフォン、電動歯ブラシ、電動シェーバーなどの充電用途に利用されている。
300MHzから300GHzの周波数帯の電波のことを言う。この周波数帯は無線LAN、移動体通信、通信衛星、放送衛星、気象衛星などさまざまな用途に利用されている。
「ワイヤレス電力伝送」との関連は?
マイクロ波空間伝送型WPTはこの周波数帯のどこかを使うことになるが、周波数割り当ては決まっていない。無線LANや5Gなどと同様に、高周波数帯の特徴を生かした電波ビームのフォーミングが可能で、複数アンテナで受電デバイスを確認、特定して、同タイミングで複数のデバイスに送電することができる。
大容量のバッテリーを搭載した電気駆動のバスであり、磁界共振または電磁誘導原理を利用する充電パッドを車体の下に設置し、車体側に搭載した受電装置との間で非接触で電力伝送や充電を行う。特に電気バスは、ガソリン車の環境面の懸念から、環境負荷を減じる公衆交通手段として期待されている。各車両が相互運用でき、安全で手間のかからない充電システムが必要だ。
「ワイヤレス電力伝送」との関連は?
東芝では2017年3月に、磁界共振型WPTを利用したEVバス充電および走行の実証実験をしている。同社開発のワイヤレス急速充電システムを用い、中型バスでは約20分の充電で11キロ、小型バスでは約15分の充電で6キロの公道を走行する実験を繰り返し行った。ディーゼルバスとの比較でCO2削減効果は前者で60%、後者で43パーセントだったという。
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