老舗百貨店1万2000人へのG Suite導入 担当者が奮闘した4年間の記録(3/4 ページ)
「現場を変えるには、まずトップがそれを示すこと」そのために考えた施策
土屋氏はツールを変えることのメリットや効果を経営層に何度も訴え、2016年12月にようやく承認を得られた。そして、わずか半年で導入を終え2017年4月からG Suiteの現場導入が始まった。
次に土屋氏を待っていたのが、新しいツールを現場へどう浸透させるかという課題だ。導入計画は、大きく3つのフェーズに分けて考えられた。
第1フェーズでは、コミュニケーション方法をメールから「Google ハングアウト」に切り替え、掲示板の情報は「Googleサイト」に一元化、会議予約には「Googleカレンダー」をカスタマイズしたG Suite向けアドオンツール「rakumo カレンダー」を利用するなど、まず従業員それぞれの個人業務をG Suiteに置き換え、業務のスピードアップを図った。
第2フェーズでは、個人の活用からチームへと広げ、チーム内コラボレーションのための研修やトレーニングを実施した。「Google+」を使って社内コミュニティを促進させ、資料はGoogleドライブを活用しクラウド環境で管理するようにした。店舗のシフト表の管理や企画資料は複数人で共同編集できるように「Googleドキュメント」で作成した。そして第3フェーズでは、G Suiteを活用した効率的なプロジェクト管理を模索し、ツールがまだ使いこなせていない人に対する研修を実施した。こうして段階的にG Suiteの活用を広めていった。
導入計画で考えたもう1つのポイントは、経営層や部長、マネージャークラスが率先してG Suiteを活用したことだ。過去の仕事のやり方から脱するには、まず上層部の意識を改革し、部下やメンバー層にそれを示す必要があった。経営会議や部長会議などで必要な資料はGoogleドライブに保存し共有するようにしたことで、上層部の間でもデジタルデータで資料を共有する仕組みが浸透した。上役の意識が変わらなくて困っている企業もあるという話も聞くが、J.フロントリテイリングはそうはなりたくなかったという強い思いもあったという。
また、移行の推進役となるエヴァンジェリスト400人を任命し、従業員に対して集中トレーニングも行なった。こうした工夫がうまく作用し、すぐにツールの活用は広まったという。
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