こんにちは! 日立ソリューションズの成田と小林です。本連載では令和3年度の税制改正における電子帳簿保存法(以下、電帳法)の改正ポイントを解説してきました。
第6回となる本稿は最終回です。電子帳簿保存法の対応を足掛かりに、電子化やペーパーレス化をどのように進めていくべきか、その先のDX(デジタルトランフォーメーション)を見据えて何を準備すべきかを解説します。
連載を通して、令和3年度改正電帳法で「電子取引情報の電子保存が義務化された」ことのインパクトとその対応方法についてお話をしてきました。よくあるご質問として、「もともと紙で運用しているものは電子化する必要があるのでしょうか、紙のままではいけないのでしょうか」というお話をお聞きします。現在、領収書を紙で受領しており、紙を原本として保存する運用をどうしても継続したいといったケースです。
電帳法としては原本が紙である文書の電子化は必須ではありませんが、今後の動向を考えると少しずつでも電子化の取り組みを進めた方が良いと考えます。
図1の通り、近年は政府主導で行政の電子化が進んでいます。2021年9月1日にデジタル庁が創設されたことで、民間企業含めて情報や業務を電子化して新たな価値を創出するDXの取り組みが加速します。紙業務を電子化することはDX推進の第一歩になります。
2023年にはインボイス制度が始まり、商品の取引時には消費税率や消費税額などを記載した適格請求書の発行が必要になります。新たに適格請求書の記載項目や適格請求書発行事業者の登録番号の確認などの業務が発生しますが、これを全て手作業で実施することは現実的ではありません。こうした時流を考えると、今後は請求書や領収書の電子化が必要になると考えます。
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