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AIのビジネス活用率は7割 AIエージェントは? 多くが抱く3つの懸念CIO Dive

Boston Consulting Groupの調査により、AIのビジネス活用は約70%まで上昇する一方で、AIエージェントの導入率はいまだ低いことが分かった。従業員が抱えるAIエージェントへの懸念は3つに分類できる。

» 2025年08月27日 10時00分 公開
[Lindsey WilkinsonCIO Dive]

 Boston Consulting Groupが2025年6月26日(現地時間、以下同)に発表した調査によると(注1)、従業員はAIに慣れてきている一方で、自律的に動くAIエージェントの導入については依然として不安を抱いているという。

従業員の不安とリーダーたちの懸念

 調査は1万人以上の従業員および管理職、リーダーを対象に実施した。回答者の70%以上が生成AIツールを定期的に使用しており、約半数は「1日当たり少なくとも1時間を節約できている」と答えている。2018〜2025年にかけて信頼度は19ポイント上昇した。

 しかし、AIエージェントはまだ発展途上の技術であり、実際に業務でAIエージェントを使っている従業員はわずか13%にとどまる。従業員がAIエージェントに抱く主な懸念は「人間による監視の欠如」「ミスが起きた際の責任の所在が不明確」「偏見に基づく不当な取り扱い」の3つだ。

 AIエージェントを早期に導入した企業からメリットが報告されているものの、大半の企業は導入の初期段階にとどまっている。

 AIエージェントについて調べているリーダーたちは、セキュリティとガバナンスの不備を導入の主な障壁として挙げている(注2)。既存のシステムとの統合の問題や組織の準備不足も(注3)、よく指摘される重要な課題だ。

 それでも多くの企業は、AIエージェントが仕事に大きな影響をもたらす可能性に注目している。コンサルティングサービスを提供するPwCの調査によると(注4)、経営幹部の約4分の3は「AIエージェントが自社の競争力を高める」と考えており、約半数は「AIエージェントによって、2年以内に自社の業務モデルが全く別のものになる」と予想している。

 ベンダー各社が支援プラットフォームを改良し(注5)、AIエージェントの製品群を拡充する中で(注6)、ますます多くの企業が導入に乗り出している。2025年6月23日の週の初めには、Salesforceが過去6カ月で8000社の顧客が同社のプラットフォーム「Agentforce」を導入したと発表した(注7)。しかし、試験導入の段階にある顧客の数は公表されていない。

 Salesforceによると、PepsiCoはAgentforceを導入した最初の大手食品および飲料メーカーの1つだという。ゲータレードなどの飲料を製造するPepsiCoは、広範な事業変革戦略の一環として他のベンダーが提供するエージェントサービスも活用している(注8)。

 他にも早期にAIエージェントを導入した企業には、自動車メーカーのトヨタ自動車株式会社や(注9)、大手美容企業のEstee Lauder Companies(注10)、大手小売企業のWalmartが含まれている(注11)。

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