“普通の会社”にAmazon級のデータ駆動ビジネス基盤は作れるか?(3/3 ページ)
既存システムとのつなぎ込みも「ユーザーが迷わずに使える」
12月にも開始を予定しているSAP Data Hubのトレーニングプログラムには、ビッグデータ関連のシステムコンサルティングやインテグレーションを手掛けるヴピコが協力する予定だ。
ヴピコ 統括部長 アーキテクチャー ダミアン・コントレラ氏は、SAP Data Hubの利点として、分かりやすさやユーザー自身による取り扱いの簡便さを挙げる。
「ストリームデータだけを考えたり、バッチ処理だけであったりといった個別の目的に対応する機能であれば、実はオープンソースソフトウェアを含め、多様な選択肢がある。しかし、一般的な企業では、これらをどう組み合わせて利用していけばよいのかを判断しにくい。利用するには専門的な知識が必要であり、技術トレンドの動きも流動的であるため、常に自主的に情報をキャッチアップできる体制でなければ対応できない」(コントレラ氏)
コントレラ氏が指摘するのは、例えばデータフローオーケストレーションツール「Apache NiFi」、ストリームデータ処理基盤「Apache Storm」といったオープンソースソフトウェアでも個別の機能は一定の品質で利用できるということだ。あるいはHadoopディストリビュータのサポートを受ければ、ビッグデータ処理基盤自体を、企業ITにふさわしい品質で運用できるかもしれない。
しかし、一般企業では、他部門の長期的な実績データの分析結果と自部門の管理システムが持つデータを突き合わせたりといった、既存のエンタープライズシステムが持つデータとの連携や参照といった使い方が必要なことが多いと考えられ、エンタープライズシステムとつなぎ込む部分を、一定のルールの下で解放し、利用させる必要がある。
「別システムに保管する過去5年の実績データとERPが持つ直近1カ月の取引データを自力で照合する」といった場合には、データ加工や連携のためのツールを開発する必要がある。
この点で、SAPの製品ポートフォリオであれば、SAP Dat Hubを使って加工データを基幹業務システム側のデータウェアハウスに供給できるし、ETLツール「SAP Data Services」を利用すれば、既存のSAP資産とのデータ連携も効率よく実行できるようになっている。
この他、データフローの処理についてもGUIでパイプラインを設計する機能や、データソースを一元的に管理できるポータルも持っており、「ユーザー企業が迷いにくい環境が用意されている」(コントレラ氏)。
SAP Data Hubがラインアップに加わったことで、既存のSAPユーザーは、SAP製品群を離れずに既存のシステムと連携したデータ処理基盤を利用できるようになる。これが、SAPユーザーにとって最大の価値になるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
イベントレポートアーカイブ
この記事の著者
こんなメディアも見られています
キーマンズネットに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Gemini Notebook」で始める「AI×自動化」実践ガイド
-
2
止まらない不正アクセス、広がる情報漏えい 大手企業・公的機関を襲った10事案
-
3
今、IT資格を取るならどれ? ランキングに見る「急浮上の資格」と「不動の資格」
-
4
48年も愛された名作CPU「Z80」を、引退に追い込んだ“抗えない事情”
-
5
「言い訳文化」から脱却のNECが足立区に伝授した生成AI活用術とは データ活用“逆算”の鉄則
-
6
大田区、年1000時間の問い合わせを「AI電話」で削減できるか? 実証実験で見えた課題
-
7
生成AI導入に失敗する企業「6つの共通点」 情シスヘルプデスクの負担を減らす設計とは
-
8
同業の被害で初めて気付く漏えい 「アラート不発」を起こす攻撃の正体
-
9
相次ぐ不正アクセス、でもセキュリティ訓練は「やりっぱなし」の悲惨な実態【企業調査】
-
10
Microsoftの“あのキャラ”がまさかの復活? 公式「X」乗っ取り事件の珍騒動:901st Lap
キーマンズネット SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
キーマンズネットをフォロー