バックアップツールの導入状況（2014年度）：IT担当者300人に聞きました（1/5 ページ）

バックアップツールの実態調査を実施した。導入率は全体で59.7％と高いが、中小企業での導入率は35.1％に留り、導入しない理由の1位は「メリットが明確でない」だった。

[キーマンズネット]

　キーマンズネットでは、2014年9月10日〜9月24日にかけて「バックアップツール」に関するアンケートを実施した（有効回答数315件）。回答者の顔ぶれは、情報システム部門が全体の44.1％、一般部門が55.9％という構成比だった。

　今回、聞いたのは「バックアップツールの導入状況」「満足度」「導入時期」「導入目的」「バックアップ形式」など、バックアップツールの導入状況を把握するための質問だ。その結果、バックアップツール導入済み企業は59.7％と、約6割の企業で導入されていることが明らかとなった。しかし、100人以下の中小企業では35.1％にとどまり、全体の値より約25ポイントも少ない結果となった。

　なお、グラフ内で使用している合計値と合計欄の値が丸め誤差により一致しない場合があるので事前にご了承いただきたい。

バックアップツールの導入率は全体で59.7％、中小企業での導入は35.1％にとどまる

　はじめに、「バックアップツールの導入状況」を尋ねた（図1-1）。その結果、「既に導入済みである（追加・リプレースなし）」が53.7％、「既に導入済みである（追加・リプレースあり）」が6.0％、「新規で導入を検討している」が0.6％、「必要性を感じているが、導入時期は未定」が21.6％、「必要性を感じない」が18.1％だった。

　整理すると、追加・リプレースの有無を含めて「導入済み」は59.7％であるのに対し、導入検討の有無を含め「未導入」が40.3％という結果だった。

　企業規模別に見ると、100人以下の中小企業は導入率が35.1％であるのに対し、101人〜1000人以下の中堅企業では68.8％、1001人以上の大企業では66.4％と、中小企業に比べ中堅以上の企業では30ポイント以上多く導入されている傾向にあり、中小企業での導入が進んでいない現状が明らかとなった。

　次に、「導入済み」と答えた人にツールの導入時期を尋ねた（図1-2）。その結果、約8割（79.3％）が2012年3月以前に導入しており、直近約2年間で導入した企業は約2割（20.7％）にとどまった。バックアップツールは多くの企業で比較的古くから導入されているツールであり、またそれが安定して運用されているために新たな導入が少ないと推測される。

図1 導入状況・導入時期（導入済み）