メディア

クラウド化が進展中、無線LAN最新動向すご腕アナリスト市場予測(3/5 ページ)

» 2016年05月11日 10時00分 公開
[草野賢一IDC Japan]

運用負荷を軽減するマネージドサービスが中小企業に高評価

 運用管理負荷の軽減に関しては、製品やクラウド管理型ソリューションの機能だけでなく、外部業者(無線LANベンダーや運用管理サービスベンダーなど)が提供するマネージドサービスも利用可能になっている。実際は製品側での運用管理のシンプル化が、サービスベンダーのハードルを低くして、業者が増えている状況のようだ。当然ながら、無線LANばかりでなく、有線ネットワークも含めたマネージドサービスの方が企業側の負担が減る。

 クラウド管理型無線LANソリューションと、こうしたマネージドサービスを利用することにより、人材が得られなくてもネットワーク最適化が実行できる環境が整いつつある。

無線LAN単独のソリューションから全体最適化のためのソリューションへ

 無線LAN市場の動向として注目すべきなのは、無線LANが従来のように企業ネットワークの中の特殊な一部という扱いではなく、将来に向けたネットワーク全体の最適化の重要な一部として認識され、ベンダー側でもトータルなネットワークソリューションの中に無線LANを組み込む動きが急速にに進んでいることだ。

 例えばシスコシステムズは、「Cisco Start」と呼ぶ中小企業向け新ブランドを2015年に立ち上げ、ルーター、スイッチ、無線LAN製品、セキュリティ製品を25人から100人規模の企業も対象にしてパッケージ提供を始めた。

 またフォーティネットは無線LAN大手のメルー・ネットワークスを買収、今のところはまだ製品の統合はされていないものの、セキュリティ機能を充実させたネットワークソリューションの提供に乗り出すことになるだろう。

 HPEはやはり専業大手のアルバネットワークスを買収、統合認証基盤「ClearPass」やネットワーク管理システムを組み合わせ、ユーザーと有線、無線ネットワークの統合管理機能の提供を目指している。

 他にもブロケードがラッカスワイヤレスを買収すると発表するなど、無線LAN専業ベンダーは続々とネットワークベンダーやシステムベンダーと統合してきている。もはや無線LANは他と切り離して設計するものではなく、全社ネットワークの全体最適化の中で検討されるものになった。その向かう先は、第3のプラットフォームへの適応であることは間違いない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

会員登録(無料)

製品カタログや技術資料、導入事例など、IT導入の課題解決に役立つ資料を簡単に入手できます。