先週公開したバックアップツール前編では、バックアップデータを格納するための復旧ポイントサーバ(Recovery Point Server:RPS)を立て、ここにコンソールを接続して各種設定を行い、物理/仮想マシンのデータをRPSにバックアップする、という運用フローを紹介した。
このとき、物理マシンには増分データを把握するために、バックアップツールのエージェントをインストールする必要があるが、実は仮想マシンにはエージェントが不要で、「VMware ESXi」や「Microsoft Hyper-V」などの仮想マシンを管理するオーケストレーションツール(VMware vSphere、System Center)側で変更ブロックを把握し、その情報をバックアップツール側にフィードバックしてくれるのだ。具体的には、バックアップツールが仮想化ソフトウェアのAPIを介して、仮想化ソフトウェア上で稼働している全ての仮想マシンのバックアップデータを一括で取得する。
通常、人間1人が面倒を見ることができる物理サーバの台数はせいぜい数十台だが、仮想マシンは簡単に増やしていくことができる。数百台、多いところでは数千、数万台の仮想サーバを構築している企業もあり、こうした規模の仮想マシン全てを個々にバックアップすることは非常に大変だ。
その際に仮想化ソフトウェア側の機能ではあるが、仮想化ソフトウェア1つを対象にすれば、その上で稼働している全ての仮想マシンを一括でバックアップできるというエージェントレスの仕組みは、ユーザー企業にとって非常にうれしい機能だといえる。
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