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「IT資産管理」の事例、比較、解説記事を総まとめ

「IT資産管理」に関する最新情報を紹介します。IT担当者やITを活用したいビジネス/バックオフィス部門の担当者に、役立つ製品・サービス情報や導入事例、業界動向を集めました。

「IT資産管理」とは

IT投資の最適化、ソフトウェアライセンスの違法利用の防止、セキュリティ対策の強化など、企業がITシステムを適切かつ効率的に運用していく上で基盤となるのがIT資産管理だ(続きはページの末尾にあります)。

増え続けるデバイス、どこまでが管理対象?

 IT資産管理は、社内に存在する大量のサーバやPCなどのハードウェア、稼働するソフトウェアの利用状況を正確に把握することから始まる。基本となるのが、インベントリ(棚卸し)情報だ。

 ハードウェアからはCPU型番やメモリ容量、HDD容量、IPアドレス、動作OSの種類、設置場所、所有者などの情報を、ソフトウェアからはライセンス内容やバージョン情報、セキュリティパッチの実施状況、許諾された利用者やグループなどの情報を効率よく取集し、一元管理することで適切なIT資産管理を実現できる。

 ここにきて大きな課題となっているのは、企業が守るべきIT資産の対象がかつてなく広範囲に拡大していることだ。企業が推進するワークスタイル変革に伴い、これまでコンシューマ市場で発展してきたスマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスが、ビジネス領域にも急速に浸透している。

 社内のPCにUSBインタフェース経由で接続できる外部接続メディアもCD、DVD、BDドライブやUSBメモリからICレコーダー、デジタルカメラなどへと多様化している。これらのデバイスも情報漏えいなどのセキュリティ対策上のウイークポイントとなるだけに、IT資産管理の対象から外すわけにはいかない。

情報漏えい対策の一環としてのIT資産管理

 多くの企業がUSBメモリや外付けHDD、CD、DVD、BDドライブなどの外部メディアの接続やデータ書き出しを制限している。

 しかし、近年ではデバイスドライバをインストールすることなく、MTP(Media Transfer Protocol)やPTP(Picture Transfer Protocol)といった転送プロトコルを利用してPCに接続することが可能なイメージングデバイスやポータブルデバイスも数多く出回っている。スマートデバイスやデジタルカメラはその代表例だ。

 これらのデバイスは、大容量の記憶領域を持つにもかかわらず、従来の外部メディア制御機能では対応できず、IT資産管理の抜け穴になりがちだ。個人所有のスマートフォンを充電目的で会社のPCのUSBポートに接続している光景を見かけるが、スマートフォンに潜むマルウェアがPCに感染し、社内ネットワークへの不正侵入や標的型攻撃の踏み台にされる恐れがある。

 デジタルカメラを接続した場合は、USBメモリと同様にPC内のデータを簡単に持ち出せてしまう。何でも会社PCに接続してしまうと、思わぬところでセキュリティ面で被害を受けたり情報漏えいにつながってしまったりといった危険性がある。普段の何気ない行いが、大きな損害に結び付く可能性があるという認識が必要だ。

IT資産管理ツールの選び方

導入目的を明確に

 IT資産管理ツールは、企業を取り巻くさまざまな環境変化に対応しながら機能を進化させている。単なる会計資産としてハードウェアやソフトウェアを管理するだけでなく、コンプライアンス強化やセキュリティ対策といった観点からも、IT資産管理ツールがカバーする領域は拡大している。

 IT資産管理ツールの導入に当たっては「自社が最優先で解決すべきリスクは何なのか」を把握した上で、明確な目的を持って臨む必要がある。さまざまな製品が持つ機能やスペックを横並びで比較し、「最も優れている製品はどれか」と検討したところで、自社の目的にあってなければ何の意味もない。

段階的な導入が可能な統合ソリューションを選ぶ

 IT資産管理ツールが持つさまざまな機能を「あれも、これも」と一気に導入を進めるのは目的が不明確になりがちで、あまりお勧めできない。まず「ハードウェア、ソフトウェア管理」のベースを固めてから「アプリケーション稼働管理」を実装し、その後に「操作ログ管理」に着手するといったように結果を出しながら段階的に導入を進めることがスムーズな定着につながりやすい。

 段階的に導入を行う場合にも、異なるベンダーのポイントソリューションを個別最適で集めるのは、機能間連携に問題が出て失敗に陥りやすい。統合ソリューションとして提供されているIT資産管理ツールのモジュールを順次導入した方が苦労は少ないだろう。

「評価版」を有効活用する

 IT資産管理の第一歩として導入したいモジュールが定まったら、まず「評価版」を入手して自社環境で試すことをお勧めする。インベントリ情報を収集するエージェント機能をクライアントPCにインストールしたところ、何らかの不適合が起こってエラーが頻発するといったケースがあるからだ。

 カタログからは読み取れない実際の操作感をつかめるなど、検討過程でしっかり評価版を試すことのメリットは大きい。

サポートサービスの充実度

 IT資産管理は、ツールの導入によって終わるものではなく、そこからが本当のスタートだ。ツールを100%使いこなせるかどうかの鍵は、サポートサービスが握っているといっても過言ではない。定期的なフォローサービスやトレーニングの体制も含め、ベンダーが提供するサポートサービスの内容をじっくり吟味しておきたい。

必ず検討しておきたいソフトウェアライセンス管理

 ソフトウェアのライセンス形態は、マシン固定ライセンス、ユーザー固定ライセンス、サイトライセンス、アップグレード/ダウングレードライセンス、セカンドライセンスなど非常に多様化、複雑化している。

 十分に理解しないままソフトウェアを利用し、結果として不正が発覚した場合、社会的信用の失墜や巨額の賠償金の支払いなど、重大なペナルティを受けることを覚悟しなければならない。もう一つ認識しておかなければならないのは、仮にライセンス違反をしていなかったとしても、監査時にその事実を証明できなければ意味がないことだ。

 IT資産管理ツールがサポートするソフトウェアライセンス管理機能を活用することでリスクを未然に防ぐことができる。過剰なライセンス(遊休資産)を洗い出すことにもつながり、ITシステムのコスト削減や負荷軽減といったメリットをもたらす。

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