社内コミュニケーションがメールからチャットへと移りつつある現在、ビジネスチャットは企業においてどこまで市民権を得たのか。調査結果から、その答えを探る。
マーケティング支援をビジネスとするモニタスは、全国20〜64歳の会社員2836人を対象に「利用実態調査 ビジネスチャットツール編」(調査期間:2022年4月15日)を実施した。本調査では、ビジネスチャットの利用経験とツール別利用割合、また企業規模別のビジネスチャットの利用割合を明らかにした。
まず、ビジネスチャット自体の認知度と利用率から見ていく。
モニタスによる調査では、ビジネスチャットの認知率は54.7%、利用経験率は40.1%、利用率は38.6%となり、回答者の約5割がビジネスチャットツールを認知し、約4割は何らかの形で利用経験があることが分かった。
続いて、製品別の認知率を尋ねた項目では、「LINE WORKS」(37.1%)、「Microsoft Teams」(32.7%)、「Chatworks」(16.8%)が認知率上位3位となった。モニタスは、最も認知率の高いLINE WORKSでも約6割の人に知られていない状況だとコメントする。4位以降は図1の通りだ。
前項のビジネスチャットの認知度ランキングで上位2位に挙がったLINE WORKSとMicrosoft Teamsについて、両ツールの利用率と浸透度合いを掘り下げて見ていく。
LINE WORKSは認知率が37.1%に対して、利用経験率が10.9%、現在利用率が10.1%。Microsoft Teamsは認知率が32.7%に対して利用経験率が20.4%、現在利用率は20.0%だった。
認知率ではLINE WORKSがMicrosoft Teamsをやや上回るものの、利用経験および現在利用においてはMicrosoft TeamsがLINE WORKSを10ポイント上回った。
本調査では、従業員数1000人以上の企業に属する回答者を対象に利用するチャットツールも聞いた。その結果、上位3位は「Microsoft Teams」(21.4%)、「LINE WORKS」(10.3%)、「Workplace」(4.0%)となり、従業員数の多い企業ではMicrosoft Teamsの利用率が高い結果となった。
一方、従業員数100人未満の企業に属する人を対象にしたツール別利用割合は、「Chatwork」(4.7%)、「Slack」(3.9%)、「LINE WORKS」(3.8%)という並びとなった。また、選択肢に挙げた全てのツールの利用割合が5%未満だった。
なお、キーマンズネットでも「コミュニケーションツール」「Web会議ツール」に関する独自調査を基に、企業が抱えるコミュニケーション課題や読者企業が使うチャットツールなどを解説した記事を公開している。こちらもあわせて参照いただきたい。
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